EViews ユーザ事例 第10回
アメリカ留学の時に出会ったEViews(1)

名古屋大学大学院 国際開発研究科 藤川 清史 教授

[リンク:名古屋大学大学院 国際開発研究科]

 
Prof_Fujikawa1 専門分野:計量経済学、経済統計学

近年発表の著書・研究論文:
・『社会保障の計量モデル分析』東京大学出版会
・『年金改革の経済分析―数量モデルによる評価』日本評論社
・『ネットワーク時代の経済分析』法律文化社 (共編著: 小川雅弘・品部久志)
・『産業連関分析入門』日本評論社

講演会を終えた藤川先生に、今回は当社にご足労いただきお話を伺いました。東南アジアからの留学生を受け入れる一方で、ご自身も現地に赴き、教育に当たる藤川先生のアグレッシブな活動や、MicroTSP時代から始まるEViewsとの係わりについてお話を伺いしました。

積極的に講演活動にも取り組み、「環境」で日本企業の活性化を期待する

―― 本日は講演会の終了後、お疲れのところEViewsユーザ紹介の取材にご協力いただき、ありがとうございます。今日の講演会はどのような内容だったのでしょうか?

【藤川先生】
「環境」というキーワードをビジネスという視点から取りあげました。日本にはエネルギーを効率的に利用する数多くの技術があります。例えば、「水」は東南アジアの国々では大切な資源です。水を作ることから始まって、水の管理、廃棄物の処理、広く言えば都市全体をデザインする技術を日本の企業はもっています。この技術を東南アジアでビジネスとして、うまく展開するにはどのように取り組むべきか、というような内容のお話をしてきました。

―― 名古屋大学 大学院 国際開発研究科について教えてください。留学生の方も多いようですね。

【藤川先生】
国際開発研究科には国際開発(経済開発、教育開発、農村開発)、国際協力(法律、文学)国際コミュニケーション(語学、文化)の三つの専攻があります。私は国際開発専攻の経済プログラムを担当しています。簡単に言えば、途上国からの学生にたいして経済学の理論と経済開発の実際を教えています。

学生のほとんどが留学生ですが、そこには若手行政官や大学の若手教員も多く含まれます。私のゼミにはインドネシアとカンボジアの学生が多く在籍しています。

講義は英語で行われるのも国際開発研究科の特徴です。留学生が素早く勉強が開始できるようにするためですが、ドクターの学生になると生活には困らない程度の日本語がわかるようになります。

―― この春に現地の行政官の研修事業のため、プノンペンへご出張なさっていましたが、現地は相当、暑かったようですね。

【藤川先生】
日本の春休みの時期、プノンペンは35度をこえる暑さです。「この世に冬なんかあるの」という感じですね。日本の夏にあたる時期、現地は雨期になるので、4、5月頃が暑さのピークです。逆に春に名古屋にやってくる受講生は現地との気温差が大きいので大変なようです。

―― 東南アジアから勉強にくる方々は、経済学に関する基礎的なバックグランドをお持ちなのでしょうか。

【藤川先生】
経済学の基礎は分かっていても、モデルの構築やシミュレーションとなると、聞いたことはあるが、やってみるのは初めてという学生が多いようです。このレベルになると要求される知識がある程度、高くなってきますから、基礎知識しかない彼らにとっては相当難しく感じられるようですが、各国から留学生として来ているので、なんとかその壁を乗り越えようという気構えは感じられます。

ただ、各国の発展段階によって、教えられる経済学の中身には違いあります。例えば、東南アジアの国々には株式市場がほとんどないため、株式市場というものに多分に懐疑的な先入観を持っている人も少なくありません。誤った先入観を取り除いて、株式市場とはどのようなものか理解してもらう所から時間をかけて説明しています。理論の勉強がまだ十分でなくてもできるような分析から行っています。そして、理論の勉強の進度に合わせ、より高度な分析へと進んでいきます。

Prof.Fujikawa1

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