2013 Japanese Stata Users Group meeting

2013 Japanese Stata Users Group Meeting

 

2013 Japanese Stata Users Group Meeting は無事に終了しました。多くの方にご来場いただきまして誠にありがとうございました。

発表内容の概要

「Stataにおけるマルチレベル/混合モデルの推定-入門編」(10:45~)

開発元StataCorp. Bill Rising

Bill Risingマルチレベル(混合)モデルの基本的な考え方と、Stataによるモデルの推定方法について簡単にご説明します。最初にランダム効果を切片と傾きに利用する基本的な方法を、次に応用としてクロス効果モデルと残差に特殊な構造を想定したモデルの推定方法について解説します。モデルとしては線形混合モデルをメインに用いますが、一般化線形モデルを利用するケースについても例題を用いて紹介します。英語での発表となります。

 


「身体成長パターンの統計分析」 [経済] (13:00~)

一橋大学 経済研究所 教授 北村行伸 様

北村様 本研究では子供の身体成長のパターンを統計的に分析することを目的としている。身体成長は、よく知られているように、2次に分かれており、第1次成長期は人間としての基本的な機能である、直立歩行が可能になるように脊椎を発達させること、視覚、聴覚、嗅覚などの感覚を発達させること、そして脳内の神経系列の発達させることにより、言語を使った 思考が可能になるようにすること、そしてそのために、身体のサイズが拡大していく過程であると考えられる。第2次成長期は人間の再生産 が可能になるような生殖機能などを中心とした発達が促進される過程である。
  本研究で用いた10年間のパネルデータは、第1次成長期がほぼ終わり、第2次成長期に入りかけている時期に相当する。本研究では、統計的な分析を通して、第1次成長期から第2次成長期へどのようなタイミングで入っていくのかを分析している。ただし、10歳までのデータでは第2次成長期に入っている子供の数は限られており、第2次成長期に関する全体的な展望はまだデータの蓄積を待たなければならない。

 

 

「マクロ経済効果を考慮したデフォルト確率の期間構造推定」 [経済](13:30~)
共同研究論文・発表は森平様

早稲田大学 大学院ファイナンス研究科 教授 森平爽一郎 様

森平様 日本の上場企業のデフォルト確率(PD)の期間構造の推定結果を明らかにする。1期間のPD推計で用いられる財務諸表比率に加え、株価、景気動向指数、原油価格などのマクロ経済変数を説明変数に取り入れることにより、マクロ経済変化が企業のデフォルト確率にどのように影響を与えるかをあきらかにすることができた。また、PD推計のオプションアプローチとこうした統計モデルとを統合したハイブリッドモデルの可能性をも合わせて示す。さらに、マクロ経済効果を考慮した時とそうでないときに、貸出ポートフォリオの予想損失(EL)と経済資本決定に影響を与える予想外損失(UL)がどのように変化をするかを検討した。

 


「ネットワーク・サイズの分位点回帰分析」 [社会科学](14:00~)

日本女子大学 人間社会学部心理学科 准教授 石黒格 様

石黒様 分位点回帰分析を用いることで、伝統的に統計解析のターゲットとなっていた「分布の中心」から、視野を広げられる可能性を指摘する。研究事例として、共感グループのサイズに対する外向性の効果について、分布の左右(上下)で異なる予測を立て、分位点回帰分析によって検討した結果を提示する。結果として、共感グループのサイズの10~30パーセンタイル点よりも、90~70パーセンタイル点のほうが、外向性との正の関係が強いことが明らかになる。

 

 


「Stataを使ったデータ加工の実践 -- 院内がん登録とDPCのEFファイルから診療の質にせまる」 [医療](14:30~)

国立がん研究センター がん対策情報センター がん政策科学研究部 部長 東尚弘 様

東様 実際の診療に於いて標準的な診療が行われている程度は診療の質の一側面と考えられるが、カルテなどから新に診療情報を収集するのは非常に労力がかかるため、がん登録や保険請求データなどのすでに他の目的で電子化されているデータを加工して、一定のアルゴリズムによって診療の状況や行われた内容を捉えることが必要になる。実際のきめ細かい状況を反映させた検討とするためには、アルゴリズムが複雑になりがちであるが、Stataを使えば高レベルな対応も可能であることを経験したので、その具体的な経験について報告する。

 


「Stataを利用した傾向スコア分析入門」 [医療](15:30~)

聖ルカ・ライフサイエンス研究所 臨床疫学センター センター長 高橋理 様

高橋様 Propensity score (傾向スコア)分析は、最近、臨床研究で最も注目されている統計手法の一つで、エビデンスレベルの高い研究デザインであるランダム化比較試験が様々な理由で実施不可能な場合に、“観察”研究によって処置効果などの因果効果を推定する方法である。今回のユーザー会では、いくつかのStataコマンドを用いて、傾向スコアを推定し、そのスコアを利用した解析方法を説明する。

 

 


「Report to Users & Wishes and Grumbles」(16:00~)

開発元StataCorp. Bill Rising

(Stataの機能に関する説明および米国ユーザの活用事例などについての発表を予定)

 

タイムテーブル

10:00 開場・受付
10:30 開会のあいさつ
10:45 発表 1 : Stataにおけるマルチレベル/混合モデルの推定-入門編」(英語)
Bill Rising (開発元StataCorp.)
11:45 Q&A
12:00 休憩
※昼食は各自でご用意ください。建物の別階にレストランがございます。
13:00 発表 2 : 身体成長パターンの統計分析
北村 様(一橋大学)[経済]
13:30 発表 3 : マクロ経済効果を考慮したデフォルト確率の期間構造推定
森平 様(早稲田大学)[経済]
14:00 発表 4 : ネットワーク・サイズの分位点回帰分析
石黒 様(日本女子大学)[社会科学]
14:30 発表 5 : Stataを使ったデータ加工の実践 -- 院内がん登録とDPCのEFファイルから診療の質にせまる
東 様(国立がん研究センター)[医療]
15:00 休憩
15:30 発表 6 : Stataを利用した傾向スコア分析入門
高橋 様(聖ルカ・ライフサイエンス研究所)[医療]
16:00 発表 7 : 「Report to Users & Wishes and Grumbles」(英語)
Bill Rising (開発元StataCorp.)
Stataの機能に関する最新情報提供に続き、開発元StataCorp.の社員に直接要望や希望を伝えるセッションがございます。
ぜひ、この機会を有効活用していただき、Stataに関するご要望などをお伝えください。
17:00 閉会

 

 

Stata is a registered trademark of StataCorp LLC, College Station, TX, USA, and the Stata logo is used with the permission of StataCorp.

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