Limdep 9 の新機能

LIMDEP9.0ではクロスセクション、パネル、そして時系列分析に新機能を追加しました。v9では推定手法をより充実し、ユーザインテフェースにも多くの改良を加えました。されにデータ操作の機能、コマンド、内部的な数式処理機能を強化しました。総ペ-ジ数2,500を越えるマニュアルにはプログラムのリファレンスガイド、背景にある計量経済学、サンプルアプリケーションを豊富に用意しています。

新しいモデル

  • 右辺に内生変数のあるプロビットモデル
  • カウントデータモデル
    • Polya-Aeppli及び一般化ポアソンモデル
    • 負の二項モデル
    • サンプルセレションのための負の二項モデル
  • パネルデータ用のダイナミックプロビットモデル
  • 確率フロンティア用の新モデル
    • Battese/Coelliモデル
    • サンプルセレクションのための確率的フロンティアモデル
    • 効率性分析のためのデータ包絡分析法
  • 時間変化する共分散を持つコックスモデル
  • サンプルセレションのためのパラメトリックサバイバルモデル
  • オーダード選択モデル
    • 一般化オーダードプロビット
    • Q回帰モデル
    • ネストしたランダム効果モデル
    • 二変量オーダードプロビット
    • サンプルセレションのためのオーダードプロビット
  • プロペンシティスコアマッチングモデル
  • アンバランストパネル
  • パネルデータセットのサイズに制限はありません。
  • 二項、累乗、ベータ、Raylegh、幾何対数線形モデル
  • 判別及び階層化分析

ほとんどのモデルでパネルデータをサポート

最新バージョンの特徴はパネルデータをほとんどのモデルでサポートしたことです。LIMDEPはプログラムに用意されているほぼ全てのモデルでパネルデータの推定に対応しました。計量経済学のソフトウェアの中でも他に先駆けて、貴重な機能を付加しました。パネルデータの推定には次の3種類があります

  • 固定効果(True fixed effect):LIMDEPに含まれているほぼ全てのモデルでダミー変数の数として50,000個までサポートしています。probitモデルの場合、LIMDEPのアルゴリズムを利用すると、ダミー変数の数は150,000個になります。ダミー変数係数はモデルから簡易的に求めるものではなく、正確な計算によって求めたものです。我々はこれをTrue fixed effectと呼んでいます。Paul Allisonとの共同作業によって、負の二項固定効果モデル(Hausman,Hall and Grilliches)に長期間存在していた問題点を解決しました。
  • ランダムパラメータ:ランダム係数をサポートしているといっても、それはだいたい線形回帰モデル、ポアソンモデル、そしてバイナリーロジットモデルに限定した場合の話でした。最新バージョンのLIMDEPでは最大疑似尤度のテクニックを拡張してLIMDEPがサポートしているすべてのモデルでこれを利用できるようにしました。また、このバージョンから追加されたサンプルセレクションモデルと、10個の新たな対数線形モデルでもサポートしています。
  • 潜在クラス:従来、これはポアソン回帰モデルでだけサポートしていました。しかし、最新バージョンではプロビット、ロジット、トービット、切断、負の二項モデル、確率的フロンティアなど、30種類以上のモデルでサポートしています。

二変量プロビットとサンプルセレクションモデルの場合は連立した複数の推定式でもこの機能を利用できます。

線形回帰モデルをパネルデータモデルで利用できるように拡張しました。ランダム効果に対するHausmanとTaylor推定量、ダイナミックパネルデータモデルに対するArellano,Bond and Bover GMM推定量をサポートしています。モデルにおける変数の数よりもデータの個数が必ずしも多くなくても推定ができる線形回帰モデルをサポートしました。パネルデータの線形モデルで推定をより簡単に行うための、多数の機能を追加しました。

既存モデルと分析手法の拡張

  • パネルデータにおける多項ロジットランダム効果モデル
  • マルチレベルおよびネストマルチレベルのランダム効果モデル
  • 潜在分散不均一など複数のモデルの拡張

推定と分析手法の拡張

  • クラスターデータと複雑な調査データを利用したすべてのモデルに対する分散修正
  • 漸近的分散に対するジャックナイフ推定量
  • 一般的な最尤推定における線形制約
  • 多項ロジットモデルに対する一般化最大
  • バイナリ選択モデルにおけるシミュレーション分析
  • プロットおよびヒストグラム作成機能の拡張
  • 推定結果のエクスポート機能
  • プロシージャや新たな推定量を記述するためのプログラミングツール機能の拡張
  • 非線形関数の標準誤差に対するKrinsky and Robb推定量
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