3D月面図を作成する

今回は、球面に月面の画像を重ね合わせて3Dの月面図を作成しました。
2Dの月面画像を球体表面に導入することで、月を回転させるなどしながら月面の観察ができます。

作成グラフ

SNSに掲載した画像のグラフはこちらからファイルをダウンロードしてご覧ください。Originをお持ちでない方、旧バージョンのOriginをお使いの方は無料の体験版がありますので、ぜひインストールしてご覧ください。

作成グラフ入りopjuファイル・月面画像jpgファイル
(zip形式で圧縮されています)

zip

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作成手順

式を入力して行列データを作成し、それを基にパラメトリック曲面グラフとして球体を作図します。
球体の表面に月面の画像データを重ね合わせることで、3Dの月面図を作成できます。


  1. 新しい行列ウィンドウを用意します。

    新しい行列ウィンドウを作成

  2. 月面の画像をドラッグしてインポートします。(サンプルzipファイルを展開すると「moon_map.jpg」というファイルが含まれています)

    画像をドラッグしてインポート

  3. 行列ウィンドウの右上にある黄色のアイコンをクリックし、フライアウトメニューで[挿入]を3回選択して、マップの前に3つの行列オブジェクトを挿入します。

    行列オブジェクトを挿入

    挿入後の行列ウィンドウ

  4. 1番目のオブジェクトを選択した状態で、黄色のアイコンをクリックし、[プロパティ]を選択して「行列プロパティ」ダイアログを表示します。[オプション]で、[データ型]ドロップダウンから「Double(8)」に設定します。

    「行列プロパティ」ダイアログを開く

    「Double(8)」に設定

  5. ダイアログの[ >> ]ボタンをクリックし、同様に2番目と3番目の行列オブジェクトのデータ型も「Double(8)」に設定します。なお、「Double(8)」は高い精度が必要な数学演算に使用されるデータ型です。

    [ >> ]ボタン

  6. Originの画面上部にあるメニューから、[行列]>[次数/ラベルの設定]と選択して「行列次数/ラベルの設定」ダイアログを開きます。

    [行列]>[次数/ラベルの設定]

  7. 現れたダイアログで、以下のようにxyマッピングの開始と終了を入力し、OKをクリックします。

    xyマッピング

    「行列次数/ラベルの設定」ダイアログについては開発元ページに案内があります。
    ※英語で表示される場合は、ページ右上のドロップダウンリストより「日本語」を選択すると切り替えできます。

  8. Originの画面上部にあるメニューから、[行列]>[セル値の設定]と選択して「値の設定」ダイアログを開きます。

    セル値の設定

  9. 「Cell(i,j)=」ボックスに「sin(y/180*pi)」と入力します。
    ダイアログの[ >> ]ボタンをクリックし、同様に2番目と3番目の行列オブジェクトでも、それぞれ「cos(y/180*pi)*cos(x/180*pi)」「cos(y/180*pi)*sin(x/180*pi)」と入力します。

    「値の設定」ダイアログ

  10. イメージサムネイルが以下のようになります。

    イメージサムネイルの様子

  11. [作図]>[3D]>[パラメトリック曲面]を選択します。自動的に1番目の行列オブジェクトをZとして、2番目と3番目の行列オブジェクトをXとYとして作図されます。

    パラメトリック曲面

    作図

  12. 作図された球の表面に月面の画像を表示させます。
    グラフをダブルクリックし、「作図の詳細」ダイアログのプロット属性を開き、[メッシュ]タブに移動します。そこにある「有効にする」のチェックを外します。これにより、球に描かれていたメッシュ線が取り除かれます。

    メッシュ線を取り除く

  13. 「作図の詳細」ダイアログのプロット属性の、[塗りつぶし]タブに移動します。ここで、[表面]にて「ひとつずつ塗りつぶす」を選択します。

    「ひとつずつ塗りつぶす」

  14. 塗りつぶしの方法を指定するため、下図のように「ポイント毎」タブで「RGB直接」「Mat(4):”moon_map.jpg”」を選択します。

    RGB直接

  15. これにより、インポートした月面の画像のRGB情報を使用して、球の表面が塗りつぶされます。

    塗りつぶし適用後

  16. しかし、球の表面が青いままとなっています。これはグラフを表示する際の「ライティング」設定が原因です。「作図の詳細」ダイアログのレイヤ属性を開き、[ライティング]タブに移動します。[光の色]にて「環境光」が「青色」になっていることが確認できます。この環境光を暗い黄色に変更すると、自然な見え方となります。

    環境光の設定

    設定完了

  17. 作図の詳細ダイアログのページ属性の[表示指定]タブにて、背景の色を黒にします。また、レイヤ属性の[平面]タブにて、平面の表示をオフにして体裁を整えます。

    体裁を整える

    これで、SNSに掲載した画像のように表示されました。

    掲載画像のように表示

  18. 補足

    作図したグラフに「スピードモード・オン」と表示される場合があります。
    スピードモードは、大きなデータセットをグラフ化したときの再描画スピードを上げるために表示データポイント数を制御する仕組みです。

    スピードモードについて、詳しくは以下のページをご覧ください。

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