EViews9.5

EViews9.5の新機能

EViews9.5では、これまでのEViews9の機能に加え、いくつかの新機能が実装されました。このページではEViews 9.5で追加された新機能をご紹介します。既にEViews9をお使いの方は、EViews Updateより9.5が利用可能です。

  1. MIDAS推定
  2. Diebold-Mariano検定
  3. 共分散行列に制約のあるFIML推定
  4. モデルオブジェクトのインターフェース改善
  5. グループメンバービュー
  6. グループオブジェクトプレビュー
  7. プログラム変数の保存/呼出し機能

1. MIDAS推定

新しい推定手法として混合データサンプリング(Mixed-Data Sampling, MIDAS)回帰法をサポートしました。

標準的な回帰分析の場合、推定に利用する各説明変数が被説明変数と同じ周期で記録されている必要があります。たとえば、年単位のGDPを被説明変数とした場合、月単位の失業率をそのまま説明変数として回帰分析 を行うことはできないということです。計量経済分析で用いられる統計データは、多くの場合それぞれ異なる周期で公開されるものであるため、典型的にはこの条件は満たされていません。
MIDAS回帰法は、被説明変数が説明変数よりも長い周期で記録されている場合に、推定や予測を可能にする機能です。伝統的なアプローチではこのような場合、より短い周期のデータを一旦単純集計することで、推定を可能にしていました。例えば、月次データの和を取って年次データに変換してから推定を行うといったことです。

EViewsはデータの周期を変換することが元々得意です。この特徴を活かし、EViewsではMIDAS推定を非常に簡単に行うことができます。具体的な操作方法については、別にページをご用意しましたので、一度ご確認ください。

加重関数として以下を用意しております。

  • ステップウェイト
  • Almon/PDLウェイト
  • 指数Almonウェイト
  • (制約付もしくは制約無しの)ベータウェイト

2. Diebold-Mariano検定

EViews9の新機能である、予測評価・予測平均機能に、新たにDiebold-Mariano検定が追加されました。本機能を用いると、 二つの異なる予測がある場合にどちらがより正確な予測なのかを統計的に比較することが可能になります。

Diebold-Mariano検定は2つの予測系列が同じ予測精度を持っているか否かをテストします。ですので、以下の例のように、予測評価ダイアログにおいてちょうど2つの予測系列を指定した時にのみ、検定結果を自動で表示します。

図1
図1: Diebold Mariano検定

図2
図2: Diebold Mariano検定結果

3. 共分散行列に制約のあるFIML推定

EViewsでは以前から完全情報最尤(FIML)推定をサポートしてきましたが、EViews9.5からはFIML推定の際、残差の共分散行列に制約条件の設定が可能となりました。

より具体的には、残差の共分散行列は、無制約・対角行列・ユーザ定義の中から選ぶことができるようになります。もしユーザ定義を選んだ場合は、二通りの指定方法が可能です。User-covarianceを指定した場合は、分散と共分散の値を記述した正方行列オブジェクトΣの名前を指定します。User-factor matrixを指定した場合は、PP'=Σとなるような行列オブジェクトPの名前を指定します。どちらの場合も、行列オブジェクト内のすべての要素に値を入力しておく必要があります。

図3
図3: 制約設定画面


4. モデルオブジェクトのインターフェース改善

以下の5つの機能改善があります。

  • プリントビュー:モデルの中の変数の構造と関係を簡単に表示することができます。
  • シナリオの説明: 後で見てもそれぞれのシナリオの目的を思い出せるように、それぞれのシナリオに対してコメントや説明を追加することが可能になりました。
  • シナリオビュー: シナリオの設定と説明を素早く表示することができます。
  • モデルプロテクション: モデルを無許可で変更できないように、パスワードをかけることができるようになります。
  • 推定式検索機能: 推定式名、従属変数名、説明変数名で推定式を検索できるようになりました。

別のページにまとめました。ご確認ください。


5. グループメンバービュー

グループメンバービューが新しくなりました。過去のバージョンのEViewsでも、View>Group Membersと操作することでグループメンバーを確認することができましたが、 9.5ではそのレイアウトが改善されます。例えば、グループオブジェクト内のシリーズの並び順をドラッグ&ドロップで並び替えることができるようになったり、 シリーズ名等によるソートができるようになります。また、グループメンバーを表示した状態で右クリックし、Edit Membersと操作することで、従来通りの方法での 調整も可能です。グループオブジェクトの並び順は、例えばグラフを作成した際の出力結果に影響しますので、修正したい場合に便利です。

図4
図4: 旧グループメンバービュー

図5
図5: 新グループメンバービュー


6. グループオブジェクトプレビュー

新しくなったグループオブジェクトプレビューでは、グループオブジェクトを開くことなしに、グループのメタデータ(名前、タイプ、説明など)を確認したり、グループ内部のシリーズのグラフを描画したりすることが可能です。グループオブジェクトを右クリックし、"Preview"をクリックしてください("Preview Members"ではありません)。

図6
図6: 旧グループプレビュー

図7
図7: 新グループプレビュー

実現値だけでなく、対数グラフや、変化率グラフにワンクリックで切り替えできるので便利です。


7. プログラミングサポート

以下の新しいコマンドにより、プログラム変数をディスク上のテキストファイル(.ini)へ保存したり、呼び出ししたりすることが可能になりました。

  1. saveprgini: プログラム変数をiniファイルへと保存することができます。
  2. loadprgini: iniファイルに保存されているプログラム変数を呼び出すことができます