メタ分析は、複数の独立した研究から得られた結果を統計的に統合し、 特定の研究課題に対してより客観的で信頼性の高い結論を導き出すことを目的とした分析手法です。 個々の研究では検出できなかった小さな効果を特定したり、 研究間の結果のばらつき(異質性)の原因を調査したりするのに役立ちます。
以下では、メタ分析の概要についてご紹介します。
メタ分析は、異なる研究で結果が一致していないとき、小規模研究が多く、統計的に不安定なとき または、サブグループやモデレーター分析を通じて、条件ごとの効果差を見たいときに利用されます。 医療・臨床研究、心理学、教育研究など幅広い分野で応用されています。
メタ分析では、各研究から得られる要約データ、特に効果量と、 そのばらつき(標準誤差や分散)を統合の対象とします。 分析対象となる研究のデザインやアウトカムに応じて、適切な効果量を選択することが重要です。
効果量と、それに対応する標準誤差や信頼区間は、必ず同じ指標(メトリック)で提供される必要があります。 例えば、ハザード比を扱う場合、対数ハザード比とそれに対応する信頼区間を整合させて使用します。
メタ分析は、複数の研究結果を体系的に統合し、研究課題に対するより堅牢で信頼性の高いエビデンスを提供する強力なツールです。
適切な効果量の選択、固定効果モデルと変量効果モデルの理解、異質性や出版バイアスの評価といった主要な概念と
手順を把握することが、質の高いメタ分析を実施するための鍵となります。