機能一覧
Endeavourは、粉末回折の実験データから未知の物質の結晶構造を解析できるソフトウェアです。指数づけを行ったあと、リートベルト解析で精密化を行うために必要な構造モデルを構築できます。
結晶構造解析についての機能
- X線(実験室/放射光施設)による回折データのほか、中性子線や電子線による回折データも処理可能
必要な入力情報:格子定数、ピークリスト(2θ vs. 強度;profile step-scanデータは不可;Philips, Bruker-AXS, Stoeからのインポートデータ)、または|F(hkl)|リスト(例えばSHELXファイルからのインポートデータ)、単位格子の内容(化合物、または分子の構造、及びformula unitの数)。 - 特定位置にある単一原子の構造解析に加え、分子の構造解析もサポート(回転可能な結合を考慮して計算することが可能)
- 分子中における回転可能な結合を手動で選択できます
- 3次元分子構造に関する多様なファイル形式をサポート
具体的にはDiamond(*.dsf), Cambridge CSD-FDAT(*.dat, *.fdat, *.csd), MDL Molfile/SDFile(*.mol, *.mdl, *.sd), Cerius2 CSSR(*.cssr, *.dat), Sybyl MOL/MOL2(*.mol, *.mol2), CIF(*.cif)。 - 分子データの入力については、ACD ChemSketch Freeware(Endeavour CD-ROMからインストール可)を使ってスケッチし3次元化することも可能
- P1より上位の空間群における構造解析計算中での単一原子の特定位置の自動変更
- 構造解析計算を支援する各種ウィザード(パターン、化合物、ポテンシャルパラメータの設定)
- 構造解析計算の計算途中で、さまざまな情報を表示可能
進捗状況、Rファクタ、計算されたピーク/観測されたピーク間の相関リスト、構造図、ユーザ定義レイアウトによる回折図の表示が可能。 - Auto
Build機能による各中間段階における結晶構造の視覚化が可能
単位格子、結合の有無、多面体の有無、分子などを表示できます。 - ポテンシャル定数の編集、計算、フィッティング(単純反発、Lennard-Jones)
- 高次の空間群への変換機能(自動/対話型)を持った対称性検出機能
- エネルギー最小化、あるいは回折データ単独での構造解析が可能
- Pareto最適化プロセスを示すレポートビュー(整形されたテキストであり、クリップボードへのコピーや保存、印刷が可)
結晶構造の視覚化について
- 構造データのインポート機能:
結晶構造データベース(Inorganic Crystal Structure Database, Cambridge Structural Database, Protein Data Bank)、Crystallographic Information File(CIF)、SHELX形式、その他の形式からのインポート。 - 構造データからの粉末回折パターンの自動計算
- 単位格子、超格子、あるいは任意範囲の結晶格子の内容の生成
- 構造定数や文献データの手動入力/変更
- 選択された原子タイプ間の距離分布を示すヒストグラムを用い、結合があるかないかを設定することが可能
- 選択された原子周囲の配位圏の完成
- 格子端で切り落とされた分子の作成、分子断片の完成(パッキング図)
- Ball-and-stick, wire, space-fillingモデルのサポート。中心投影、平行投影、色深度キューイング(depth cueing)、立体表示のサポート
- 回転/移動/ズーミング。マウスによる制御の他、キーボードを用いた段階的操作も可。特定の軸に沿った表示、あるいはhkl-平面に対向した表示機能
- 選択された原子のまわりの配位多面体の表示
- 非等方性変位パラメータを視覚化する熱振動楕円体の表示
- 原子や結合に対するラベリング。色やスタイル、半径も調整可
- 距離、角度、二面角の算出、または対話的計測。標準的不確定度を含む
- エクスポート機能: 結晶、分子構造形式、ピーク/|F(hkl)|形式、Windowのメタファイル/ビットマップ形式VRML(Virtual Reality Modelling Language)形式に対応
ユーザインターフェイスの特徴
- Multiple Document Interface(MDI、context-sensitiveなメニュー、ツールバーをサポートした32-bit MS Windows 95/98/ME/NT 4/2000/XP/Vista/7/8アプリケーション
- 構造図、回折図、テキストデータ。レイアウトは調整可
- 複数ステップのUndo/Redo機能