JADEの使用例(6) RIR定量分析
~ Quant:簡易定量プラグインの機能 ~

JADEの実際の操作をご紹介します。Jade 9.xには、Jade本体とは別にオプションで追加できるプラグインがあります。プラグインの1つであるQuant(簡易定量)プラグインを追加すると、参照強度比(RIR)法による定量分析を行うことができます。

ピークペイントでピーク面積や高さ、半値幅を求める

  1. 結晶相の同定

    まず、測定データに含まれる結晶相の同定を行います。相同定の機能はQuant(簡易定量)とは別の機能です。Jadeのツールバーにある「S/M」ボタンなどから、相同定を行います。

    Peak Paint Cursorボタンをクリックして操作を開始

    下図はサーチ/マッチ表示画面で相同定を行っている画面です。回折パターンのデータベースを使いサーチマッチを行うことにより、試料に含まれている相を特定します。

    ピークの開始位置と終了位置の間をマウスでドラッグしてピークを定義

  2. プロファイルフィットによりピーク強度を算出

    試料に含まれている相の同定ができたら、各相についてのプロファイルフィット(ピークフィット)を行います。

    ● 各相で必ず1つ以上のピークフィットを行う必要があります。
    ● 強度が強く、分離状態がよいピークでフィットを行うほど、良い結果が得られます。 (各相の100%ピークである必要はありません)
    ● より多くのピークでピークフィットを行うほど、統計的により良い結果(より小さいESD値)が得られます。ただし、小さなピークやピーク分離ができていないピークは使わないことをお勧めします。

    回折パターンをサムネイル表示するダイアログを開く

  3. RIR定量分析の実行

    「Options」メニューから「Easy Quantitative」を選ぶと実行できます。

    回折パターンのファイルをリスト表示するダイアログを開く

    下図のダイアログが開きます。各相、各ピークの情報が表示されます。

    ● 「I%-I(r)」欄の値で、フィット結果の強度I%と参照強度 I(r) % の一致をチェックします。差が大きい場合はその理由を理解する必要があります。
    ● 差が大きい理由としては、特定のピークについてフィットの精度が低い、サンプルの選択配向の影響、相同定の際に選択したPDF相が不適切だったなどの理由が考えられます。
    ● 重量%の算出に必要なピークは各相で最低1つなので、「I%-I(r)」の値で一致が悪いピークについては、ピークのリストからチェックを外すことで、簡単に除外できます。回折パターンのファイルリストから重ねがきしたいデータを選択

  4. ピークの除外方法

    以下の手順で定量に使いたくないピークを簡単に除外できます。

    下図の①で相同定のときに採用した結晶相を選択します。
    ②で除外したいピークをクリックします。
    ③が選択されるので、チェックを外してください。チェックを外したピークが、定量の計算から除外されます。

    回折パターンのファイルをリスト表示するダイアログを開く

    「Calc Wt%」ボタンをクリックすると、重量%が計算されます。

    回折パターンのファイルリストから重ねがきしたいデータを選択

    下図のボタンをクリックすると、定量結果がグラフで表示されます。

    回折パターンのファイルリストから重ねがきしたいデータを選択

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