JADEの使い方(8)
サーチマッチ(結晶相同定3)
JADEのサーチマッチの機能では、測定した粉末回折パターンのデータ全体を利用して同定を行うだけでなく、ユーザが指定した2θの範囲のピーク情報だけを使い同定を行うことができます。この範囲指定は、1つのピークのみまで絞り込みが可能です。
指定した範囲のピークのみで同定
JADEはサーチマッチを行うときに、解析対象としてプロットウィンドウ内に表示されているピークに注目します。 プロットウィンドウに切り取られた外側のピークは、相が存在する可能性のFOMを評価する際にあまり注意を払われません。JADEはプロットウィンドウの中にあるピークに強線が一致する相のみを、上位の候補として取り上げます。
サーチマッチの際に、JADEはそのときのプロットウィンドウの中の最大スケールを基準にピーク強度を再正規化します。この再正規化により、回折パターンの中で少量成分があたかも主要成分かのように扱うことができます。
■ 2θの範囲を絞ってサーチマッチ
JADEではプロットウィンドウでマウスのドラッグやホイールの回転操作により、自由自在にズームやパンを行うことができます。それらの操作によりプロットウィンドウで表示範囲を調整することで、より簡単に多相の同定を行えます。
プロットウィンドウで表示する範囲を絞ったあと、「S/M」ボタンをクリックするか、「相リスト」タブを選び、サーチマッチを行います。
「相リスト」タブに候補の一覧が表示されます。
■ 1つのピーク情報のみでサーチマッチ (シングルピークS/M)
1つのピークの情報のみを利用してサーチマッチを行うこともできます。
実行方法は、プロットウィンドウで着目するピークを拡大表示し、そのピークの上でクリックするだけです。まず目的のピークをマウスでドラッグし、拡大します。
ピークの上にマウスポインタを近づけると、通常は矢印マークが手のマークに変わります。手のマークに変わった状態でピークをクリックすると、そのピークの情報だけを使い、サーチマッチが行われます。
「相リスト」タブに候補の一覧が表示されます。