EViews12がリリースされました。ここではEViews12で新しく加わった、または更新された機能の一部を紹介します。
EViews12では上記以外にもインターフェース機能が様々な強化・改善が行われました。
グラフアニメーションは複数のグラフとジオマップを連続で表示し、動画にします。静止したグラフでは表現できない、任意の区間におけるデータの変動をダイナミックに表現できます。このアニメーションには様々な設定を適用できます。作成したアニメーショングラフやGeomapはGIFまたはMPEGファイルとして保存できます。
アニメーションを作成するには、オブジェクトウィンドウに追加されたAnimateボタンをクリックし、動画の再生、アニメーション、データ、軸を設定します。
EViews12では上記以外にもグラフ機能が様々な強化・改善が行われました。
Lasso機械学習モデルを使用して、モデル選択を行います。交差検証を行い、最適なλを決定し、必要に応じてリグレッサを変形します。また、General-To-Specific (GETs)は、回帰モデルが適切なリグレッサのセットに到達するまで、再帰的に変数を取り除く手法です。Escribano and Sucarrat (2011)とHoover and Perez (1999)のアルゴリズムに基いています。
変数選択または特徴量選択の手法として、従来のステップワイズ法に加え、EViews12ではLASSOとAuto-Search/GETSが追加されました。これらの手法では、変数選択を行ってから、標準的な最小二乗法を推定します。
AutoSEARCHはEscribano and Sucarrat (2011)がHoover and Perez (1999)を元にした作成したアルゴリズムです。全ての変数を含むモデルと変数のパスを診断する以下のオプションを提供します。
LASSO (Least Absolute Shrinkage and Selection Operator)はOLSのオーバーフィッティングを防ぐことを目的に、L1罰則付きの推定量を求めます。機械学習を利用し、交差検証を行い、最適なλを決定、必要に応じてリグレッサを変形します。
EViews12では、回帰分析の外れ値と構造変化を検出するツールとして、indicator saturationアプローチが加わりました。最小二乗法に含まれる外れ値変数、シフト変数およびトレンド変数を自動的に検出します。外れ値変数は1つの観測値で1を取り、その他で0を取ります。シフト変数は0を取り、定数項のシフト後に1を取ります。トレンド変数は、0を取り、トレンドが増加すると1単位増加します。GETS (General to Specific)アルゴリズムを使用して、観測値がこれらのどの変数であるかを検出します。
Mixed Data Sampling (MIDAS)回帰モデルは、異なる度数のデータを使用して回帰分析を行う、推定手法です。EViews12では、既存のMIDASツールボックスが拡張され、U-MIDASの推定で、GETSを使用した変数選択とindicator saturationが利用可能になりました。
EViews12では条件付き分散モデルの推定ツールが改良され、長期記憶過程を許容する推定手法と新しい推定式ビューが追加されました。
Baillie, Bollerslev and Mikkelsen (1996)のFractionally Integrated GARCH (FIGARCH)モデルと、Bollerslev and Mikkelsen (1996)のFractionally Integrated Exponential GARCH (FIEGARCH)モデルをサポートしました。
EViews12ではGARCHビューが更新され、簡単に推定式を診断できるようになりました。
Elastic netとLASSOはともに、既存データに良くフィットするものの、 少しデータを追加しだけでフィットが格段に悪くなるフィットオーバーフィッティングの問題に対応するものです。Elastic net がうまく機能すると、ほとんどの変数はそのまま利用され、パラメータの分散は小さくなります。
EViews11ではelastic net、リッジ回帰、LASSO推定ツールが提供されましたが、EViews12ではさらに以下の新機能が追加されます。
VARとVEC推定におけるインパルス応答のインターフェースと信頼区間の表示が更新されました。
従来では推定結果の表示を変えるたびに再設定と再計算を行う必要がありましたが、EViews12のダイナミックなインターフェースはインタラクティブに表示方法を変更できます。
VARとVECのインパルス応答の信頼区間の算出にブートストラップ法が追加され、residual bootstrap、residual double bootstrap、fast residucal double bootstrapを計算できるようになりました。標準的なパーセンタイル、Hall (1992)のパーセンタイル信頼区間、Hall (1986)のstudentized confidence interval、Kilian (1998)の unbiased confidence intervalをサポートしています。
ウェーブレット解析を使用して、系列を長期変動(ウェーブレット・スムース)と短期変動(ウェーブレット・ディテール)に分解します。これによって、一時的な要因を取り除き、系列の長期の近似を入手、系列分散を検出・分解、外れ値の検出が可能になりました。 主成分・主因子分析では、因子選択が可能になりました。Bai and Ng (2002)とAhn and Horenstein (2013)の、主成分・因子の数を決定するためのモデル選択に対応しました。
ウェーブレット解析を使用して、系列を長期変動(ウェーブレット・スムース)と短期変動(ウェーブレット・ディテール)に分解します。さらにウェーブレット解析では次分析が可能です。
クロスセクション依存の検定は、第二世代パネル単位根検定とも呼ばれます。EViews12は2つの検定、Bai and Ng (2004)のPanel Analysis of Nonstationary in Idiosyncratic and Common Component (PANIC)と、Pesaran (2007)のCross-sectionally Augmented IPS (CIPS)をサポートしています。
因子を用いる分析では、使用する因子数の選択が重要になります。EViews12では、データに基づくBai and Ng (2002)とAhn and Horenstein (2013)のアプローチが追加されました。このアプローチでは、次元削減のコンセプトを用いて因子数を選択します。
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