Sample Scripts from GB Books
GB009:  3次元の電場

今度はx-y平面上に3つの電荷が置かれているケースを考えます。具体的には (0, 0.5), (-0.5, 0) の2点に +q の電荷（赤の点）、(0, -0.5) の点に -q の電荷（青の点）が置かれているものとします（ただしq = 1e-10クーロン）。

今回の場合もポテンシャル U に対する数式は明示的に規定されるため、偏微分方程式を解くというプロセスは伴いません。

スクリプト 3dfields1a.pde に対する変分のみを記すに留めます。
  TITLE
    'Three Point Charges'    { 3dfields1b.pde }

DEFINITIONSの部分は U に対する定義式のみが変わります。
  DEFINITIONS
    ...
    U = -q*c/sqrt(x^2+(y+d0)^2+z^2) + q*c/sqrt(x^2+(y-d0)^2+z^2)
        + q*c/sqrt((x+d0)^2+y^2+z^2)
    ...

EXTRUSION, BOUNDARIESの部分に変更はありません。PLOTSの指定は次のようにします。
  PLOTS
    Contour(U) painted on z = 0
    Contour(max(min(U, 10), -10)) on z = 0
    Contour(U) painted on z = 0.3
    Contour(U) painted on x = 0
    Contour(U) painted on y = 0
    Contour(U) painted on z = 1.0
    Contour(U) painted on y = x
    Vector(E) norm on z = 0
    Vector(E) norm on z = 0.3
    Contour(Em) painted on z = 0.3

  END

(1) Contour(U) painted on z = 0
平面 z = 0 上でポテンシャル U の等高線図を描いたものです。極の存在により、電荷周辺における曲面の形状変化は全くかき消されてしまっています。

(2) Contour(max(min(U, 10), -10)) on z = 0
U の絶対値に対し意図的にフィルタリングをかけることにより、電荷周囲での曲面の形状をグラフ化することが可能になります。

(3) Contour(U) painted on z = 0.3
平面 z = 0.3 上には極は存在しないため、ポテンシャル U の等高線図は問題なく作成できます。

(4) Contour(U) painted on x = 0
y-z平面上でポテンシャル U の等高線図を描いたものです。横方向にy軸、縦方向にz軸が取られている点に注意してください。この平面上にも極が2つ存在するため、曲面の形状変化を見るためにはフィルタリング操作が必要になります。

(5) Contour(U) painted on y = 0
x-z平面上でポテンシャル U の等高線図を描いたものです。この場合も (-0.5, 0) の位置に極が存在します。

(6) Contour(U) painted on z = 1.0
平面 z = 1 上でポテンシャル U の等高線図を描いたものです。

(7) Contour(U) painted on y = x
平面 y = x 上で U の等高線図を描いたものです。y = x という条件のもとでは U の定義式のうち2項が相殺されてしまうため、等高線図が単純な形状となっています。

(8) Vector(E) norm on z = 0
平面 z = 0 上における電場 E のベクトルプロットを示したものです。normを指定しているため、場の強さはカラーによって表現されるのですが、ここでも極の存在によってモノトーンなプロットとなってしまっています。

(9) Vector(E) norm on z = 0.3
平面 z = 0.3 上における電場 E のベクトルプロットです。 プロット(8)とパターンは大差ありませんが、平面内には極が存在しないため、ベクトル長に対応するカラースキームが有効に働いています。

(10) Contour(Em) painted on z = 0.3
プロット(9)と同じ電場ベクトル E に関するプロットですが、ここでは |E| というスカラー量のみに着目し、それを等高線図の形で表現したものです。