ドゥーロフダイアグラム

Grapherでは、水、土壌、岩石の化学サンプル中のイオン濃度を可視化し比較するための「ドゥーロフダイアグラム」を作成することができます。

3つのグループにクラス分けされた拡張ドゥーロフダイアグラム

ドゥーロフダイアグラムとは
拡張ドゥーロフダイアグラム
用意するデータと操作

ドゥーロフダイアグラムとは

ドゥーロフダイアグラム（Durov Diagram）は、水サンプルなどの化学的性質をグラフ化し、サンプルグループ間の関係を明らかにするために使用されます。この用途はパイパーダイアグラム（トリリニアダイアグラム）に似ています。

ドゥーロフダイアグラムは、2つの三角グラフで6つのイオングループの相対濃度を示します。左側の三角グラフはカチオン（陽イオン）を表します。上側の三角グラフはアニオン（陰イオン）を表します。正方形のプロットは、カチオンとアニオンの三角グラフの投影です。

ドゥーロフダイアグラムは、1 つの水サンプルを分類するだけでなく、複数の水サンプルを比較するために使用されます。どのサンプルが正方形のプロット内で密接にグループ化されているかを調べることで、どのサンプルが類似した化学組成を持っているかを推測し、サンプルの相への分類を強化できます。

このグラフは、地域内の複数の帯水層を調べて共通の特徴を特定する場合に有効です。これらの共通の特徴を特定することで、水の流れの経路、汚染源、汚染物質が広がっているかどうかなどの環境要因を予測できます。

Grapherで作成したドゥーロフダイアグラム

拡張ドゥーロフダイアグラム

拡張ドゥーロフダイアグラム（Extended Durov Diagram）には、元のドゥーロフダイアグラムのプロットにpHおよびTDS（Total Dissolved Solids：総溶解固形物）のプロットが組み込まれています。pHプロットは正方形のプロットの下に拡張され、TDSプロットは右側に拡張されます。

拡張ドゥーロフダイアグラムは、各サンプルが類似していてグループ化されているかを調べる、という通常のドゥーロフダイアグラムと同じ目的を果たします。そして追加のパラメータを使用することで、グループ内の固体の酸性度、種類、濃度に関連するさらなる地球化学分析を実行できます。

Grapherで作成した拡張ドゥーロフダイアグラム

用意するデータと操作

ドゥーロフダイアグラムにデータをプロットするには、3つのカチオンデータポイントの合計と3つのアニオンデータポイントの合計（X+Y+Z）がそれぞれ100%に等しくなる必要があります。合計が100%に等しくない場合、Grapherはデータをプロットするときにデータを正規化します。データポイント間にこの関係が成立すれば、3番目のデータポイントを決定するために、任意の2つのデータポイントの値を知るだけで済みます。三角グラフ上の点を読み取るには、3つの軸から各点の位置を確認します。

ドゥーロフプロットを作成するとき、Grapherはデータファイルの列をデフォルトでは次の順序で割り当てます。

カチオン X
カチオン Z
カチオン Y
アニオン X
アニオン Z
アニオン Y
pH (存在する場合)
TDS (存在する場合)
クラス (存在する場合)

データの順序が異なる場合は、プロットが作成された後に、アニオンまたはカチオンの三角グラフまたはpHかTDSの散布図を選択し、プロパティマネージャのPlotタブで列を指定することにより、適切な列を選択します。

適切なデータ列を選択　　

ドゥーロフダイアグラムを作成するには

Home：New Graph：Ternaryをクリックし、Durov, Class Scatter Durov, Extended Durov, Extended Class Scatter Durov から希望するグラフタイプを選択します。　
　　
　
　　
Open Worksheetダイアログで、データファイルを選択し、開くをクリックします。　　
各三角グラフと3つのプロット内の点を結ぶ線を追加できます。線はデータファイルに出現する順序でデータを接続します。ドゥーロフプロットを構成するプロットの1つに線が追加されると、他のプロットにも線が追加されます。線を追加するには、プロットのいずれかを選択し、プロパティマネージャでLineタブを開き、Invisible以外の線スタイルを選択します。3つまたは5つのプロット全てに線が表示されます。