StataNow の新機能

StataNow については下記リンクをご覧ください。

ロジスティック回帰の検出力分析

 効果的な研究を設計するには、検出力、サンプルサイズ、そしてコストのバランスを取る必要があります。 例えば、顧客のコンバージョン率(購入 vs. 未購入)、患者の回復アウトカム(回復 vs. 未回復)、 ユーザーエンゲージメントの意思決定(購読 vs. 購読解除)を分析する際に、 新しい power logistic コマンドは、時間やリソースを無駄にすることなく、 ロジスティック回帰モデルに最適なサンプルサイズを決定するのに役立ちます。
  power logistic コマンドは、ロジスティック回帰モデルにおける 関心のある1つの係数の検定について、サンプルサイズ、検出力、または効果サイズを計算します。

局所平均処置効果

 個人に処置が実際に行われたかどうかを判断する観察不可能な特性がある場合、処置効果を特定することは困難です。 しかし、割り当てられた処置内容を把握していたり、個人が処置を受ける動機に関する情報を持っていることがあります。
新しいいlateffectsコマンドはこの操作変数を活用して、部分集団に対する因果効果である 、局所平均治療効果 (local average treatment effect: LATE) を推定します。

線形モデルにおける分散共分散行列オプション強化

 線形回帰コマンドの分散共分散行列オプションセットでさらに多くの頑健な標準誤差と信頼区間が利用可能になります。
regressaregでは、vce(hac HACの設定) オプションを使用することで、不均一分散および自己相関整合(HAC)標準誤差を考慮できるようになりました。
regress, areg, xtreg,fe, didregress, xtdidregressのバイアス補正機能が強化され、クラスタリングにおいてHC2およびHC3標準誤差の 両方を考慮できるようになりました。
ivregressで操作変数法を推定する際に、複数の非ネストクラスターを考慮することができるようになりました。

doファイルエディタの変更履歴リボン

 Doファイルエディタでは、ドキュメントに加えられた変更の種類を、余白にある変更履歴リボンに色付きのマーカーで表示できるようになりました。 2色のマーカーで、変更された行と元に戻された行を示します。変更履歴リボンの表示/非表示を指定するには、Doファイルエディタ内で右クリックし、「ユーザ設定...」を選択し、「標準」タブで「変更履歴」のチェックボックスをオン/オフにします。

データエディタ上の長い変数名の表示方法の改良

 データエディタのグリッドで、変数名の省略方法を末尾(デフォルト)、中間、末尾から1、2、3、または4文字前のいずれかから選択できるようになりました。省略動作は、データエディタの設定ダイアログで変更できます。

Doファイルの行ごとの実行

Doファイルエディタで、複数行のテキストを選択しているときに、その選択行をまとめて実行できるようになりました。 実行が終わると、カーソルはコメント行や空白行を飛ばして次に実行可能な行やコードブロックに自動的に移動します。

Doファイルのバックアップの保存先指定

Doファイルエディタで、バックアップファイルを保存する場所を設定できるようになりました。 これまでのようにドキュメントと同じフォルダに保存する代わりに、ホストコンピュータ(自分のパソコン)上の、 OSごとに決まった専用ディレクトリに保存できます。 この設定は Doファイルエディタの詳細設定で変更できます。

棒グラフ等におけるグループ分け

graph bargraph boxgraph dot コマンドで、新しく assecondcategory オプションが使えるようになりました。

over() と複数の y 変数を組み合わせるとき、assecondcategory を使うとカテゴリ優先で見やすくグループ化できます。

2つの媒介変数に対応した因果媒介分析

 既存のコマンド mediate は、処置がアウトカムに及ぼす自然な直接効果、自然な間接効果、および総合的効果を推定します。 mediate は、2 つの媒介変数についてこれらの効果の推定をサポートするようになりました。

 処置効果のパス固有の各要素を考慮することで、 mediate は総合効果を 自然な直接効果と間接効果に可能な限り細かく分解して推定します。

Parquetファイルのインポート

 Apache Parquetは、データを列ごとに整理するデータファイル形式で、 効率的な保存を実現するために複数の圧縮方式をサポートしています。

  import parquet を使用して、ParquetファイルからStataにデータをインポートできるようになりました。 import parquet は、ParquetファイルをApache Arrowテーブルに読み込み、 そのテーブルをStataデータセットに変換します。

心理測定メタ分析

従来のメタ分析が「2群間の比較(新薬とプラセボなど)」に焦点を当てるのに対し、心理測定メタ分析は2つの変数間の相関関係を複数の研究にわたって統合・分析する手法です。特に、直接観察できない「潜在変数(満足度、知能など)」を扱う際に威力を発揮します。

新しいコマンド meta psycorr は補正済みの相関係数および標準誤差を簡単に算出します。この計算結果を既存の meta コマンド群で利用可能な形式として宣言でき、その後の詳細なメタ分析(フォレストプロットの作成など)へシームレスに移行可能です。

不均一な差分の差分モデルの2方向固定効果推定における調整効果

hdidregress twfe xthdidregress twfe コマンドを用いて、処置対象に対する異質性のある平均処置効果(ATET)を推定する研究者は、共変量の調整効果(ATETが共変量によってどのように変化するかを示す)を求めることがあります。

estat moderation postestimation を使用して、モデルに含まれるすべての共変量、または関心のあるサブセットの調整効果を報告できるようになりました。

WordファイルをHTMLやEPUBなどに変換

新しいコマンド docx2epub, docx2html, docx2markdown, docx2txt を使用すると、Word™ 文書 (.docx ファイル) を EPUB、HTML、Markdown、プレーンテキスト形式に変換できます。 putdocx を使用して Stata の結果を含むレポートを作成する場合でも、既存の Word 文書がある場合でも、これらの形式に簡単に変換できます。

順序ロジット回帰における比例オッズ仮定の検定

ologit による比例オッズモデル(順序ロジットモデル)のフィッティングでは、比例オッズ仮定(平行線仮定とも呼ばれる)を採用しています。これは、各アウトカムカテゴリの累積確率曲線を予測変数に対してプロットすると、平行になるべきであるという仮定です。この仮定により、各予測変数の効果を単一の係数として表すことができます。新しいコマンド estat parallel は、 ologit でモデルをフィッティングした後に、比例オッズ仮定を検証します。

ファイナス統計コマンド群

金融データ分析に特化した新しい統計コマンド群が追加されました。資産価格からのリターン計算、ポートフォリオ最適化、リスク評価、CAPMやFama-MacBeth回帰による資産価格分析までを一貫して実行できます。金融研究や投資分析に必要な主要手法をStata上で効率的に利用できるようになりました。

PDFからテキストへの変換

新コマンド pdf2txt は、PDF文書をプレーンテキスト形式へ変換します。データマイニングや自然言語処理、大規模言語モデル(LLM)による分析に適した形式で内容を抽出できるため、文書データの活用が容易になります。また、ファイルサイズを削減できるため、読み込みや処理の効率向上にも役立ちます。

証券取引所の営業日カレンダー

bcal webcopy は、主要証券取引所向けの営業日カレンダーをインターネット経由で取得する新機能です。NASDAQ、NYSE、ロンドン証券取引所、東京証券取引所、上海証券取引所、S&P500などに対応し、取引日のみ記録された金融データ分析を容易にします。取得したカレンダーは期間拡張も可能で、実務的な時系列分析に活用できます。

処置の切り替えを伴うパネルデータのDID

新しいxtswitchdidコマンドは、de Chaisemartin and D’Haultfœuille(2026)の不均一な差分の差分法(DID)推定量を使用して、パネルデータのイベントスタディ処置効果を推定します。処置は二値または多値に対応し、処置への参加と離脱を繰り返したり、異なる処置水準へ移行したりする非吸収的な処置も扱えます。

推定後には、estat ptrendsで平行トレンド仮定と先取り効果がないという仮定を検定できます。また、estat eventplotでイベントスタディ処置効果を図示し、estat totalで全処置期間を通じた平均総効果を推定できます。特定の処置値の並びである「処置パス」に限定した効果の推定や、estat pathsによる処置パスの一覧表示にも対応しています。

マルチレベルモデルにおける空間誤差共分散構造

mixedコマンドが拡張され、グループ内の誤差の相関を地理的・物理的な距離の関数としてモデル化できるようになりました。residuals()オプションでは、空間指数型(spexponential)、空間ガウス型(spgaussian)、空間球状型(spspherical)、空間べき乗型(sppower)の4種類の空間誤差構造を指定できます。

農業試験、環境モニタリング、生態調査など、観測地点間の距離に応じて相関が変化するデータの分析に利用できます。また、時間を1次元の空間領域として扱うことで、不規則な時点で測定された縦断データにも適用できます。距離の計算に使用する位置情報はcoordinates()で指定し、測定誤差や微小スケールの空間変動を考慮するナゲット効果も設定できます。

データエディタでのフレームの操作

複数のデータセットをフレームとしてメモリ上に保持している場合に、データエディタから各フレームのデータを表示・管理できるようになりました。

データエディタ上で、フレーム間のコピー&ペースト、あるフレームで保存したスナップショットの別フレームへの復元、既存フレームの管理、新しいフレームの作成を行えます。複数のデータセットを切り替えながら確認・編集する作業が、より直感的に行えるようになります。

ベイズ分析の新しい事前分布

bayesmhおよびbayesで、新しい半分布の事前分布を利用できるようになりました。halfnormal()は半正規分布、halft()は位置尺度型の半t分布を指定します。これらは、ラプラス分布やコーシー分布の尺度パラメータ、正規分布の標準偏差など、正の値を取るパラメータの事前分布として利用できます。

さらに、パラメータの平方根に対して分布を指定するsqrtuniform()sqrthalfnormal()sqrthalft()sqrthalfcauchy()が追加されました。分散など、正の値を取るモデルパラメータに対して柔軟な事前分布を設定できます。

複数のPDFファイルの結合

putpdfコマンドに、新しいサブコマンドappendが追加されました。複数のPDFファイルを1つのPDFファイルにまとめることができます。

Stataで作成した複数のPDFレポートや、分析結果を含むPDF資料を一つに統合する作業を、Stata上から実行できるようになります。

Stata is a registered trademark of StataCorp LLC, College Station, TX, USA, and the Stata logo is used with the permission of StataCorp.

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