Stata13 新機能
Stata13の販売は終了しております。
           	    Stata13 には全部で77の新機能を追加しました。ここでは特に注目に値する機能だけをご紹介します。
1.処置効果推定量
推定量:
- 逆確率加重(IPW)
 - 傾向スコア(プロペンシティスコア)マッチング
 - 共変量マッチング
 - 回帰調整
 - 二重ロバースト法
 - 調整IPW
 - 回帰調整付きのIPW
 
機能:
- マルチレベル & マルチバリュートリートメント
 - 平均トリートメント効果(ATE)
 - 処置群に対するATEs (ATET)
 - 潜在的なアウトカムの平均 (POM)
 - 連続、バイナリ、カウント型のアウトカム
 
内生的な処置推定量:
- 線形回帰
 - ポアソン回帰
 
処置効果推定量とは観察データにおけるアウトカムへの因果効果を計測するものです。薬の服用、施術、トレーニングへの参加など、被験者のうちの幾人かに処置を行ったとします。そしてアウトカムとしての血圧、余命、検査結果などを調査して処置の効果を計測します。
効果としては平均処置効果(ATE)、処置群の平均処置効果(ATET)、そして潜在的-アウトカム平均(POM)を推定することができます。Binary,バイナリ、マルチレベル、マルチバリュー処置をサポートしました。連続、バイナリ、非負のアウトカムをモデル化できます。
アウトカムの決定要因でなく、参加者の決定要因が既知の場合、IPWとプロペンシティスコアマッチングが利用できます。
            参加者の決定要因でなく、アウトカムの決定要因が既知の場合、回帰調整と共変量マッチングが利用できます。 
両者の決定要因が既知の場合、二重ロバースト法、拡張IPW、回帰調整付きのIPWが利用できます。これらの手法はアウトカムまたは参加者についてのみ正確であれば、二重ロバーストと言えます。
2つの推定量は条件付き独立性を要求しません。条件付き独立とは、観測した共変量を条件として処置とアウトカムが無相関になるというものです。 新しい推定量のコマンドとして、-etregress-および-etpoisson- は仮定を緩めて利用することができます。 -etregress- コマンドは旧コマンド-treatreg-の更新版で、-etpoisson- は新規のコマンドです。
処置効果用に新たに158ページのStata Treatment-Effects Reference Manualを用意しました。
2.マルチレベル混合効果および一般化線形構造化推定式モデリング
一般化線形応答
- 連続 - 線形, log-gamma
 - バイナリ - プロビット, ロジット, 補間ログログ
 - カウント - ポアソン, 負の二項モデル
 - カテゴリカル - 多変量ロジット
 - オーダード - オーダードロジット,オーダードプロビット
 
マルチレベル/階層データ
- ネスト型: 2レベル, 3レベル, さらに高次のレベル
 - クロス型
 - 異なるレベルにおける潜在変数
 - ランダム型定数項
 - ランダム型スロープ (パス)
 - 混合モデル
 
フィット可能なモデル
- バイナリ、カウント、序数によるCFA
 - マルチレベルCFA
 - マルチレベルメディエーション
 - 項目応答理論 (IRT)
 - バイナリ、カウント、順序応答における潜在成長曲線の反復計測
 - セレクションモデル
 - 内生処置効果
 
既存のコマンド -sem- で線形SEMのフィットが可能になりました。
-sem-と新しい-gsem- を組み合わせて一般化SEMのフィットが可能になりました。
一般化線形モデルとは一般化線形応答関数を意味し、ネスト型およびクロス型効果を同時に、または、個別に示すものです。 
   		    一般化線形応答関数は線形回帰はもちろん、プロビット、ロジット、補間型ログログ、ポアソン、負の二項分布、マルチノミナルロジット、オーダードプロビット、オーダードロジットなどを含みます。ネスト型、クロス型効果はデータの異なるレベル(2レベル、3レベル、そしてより高次のレベル)で潜在的な変数を意味します。 
3.マルチレベル混合効果モデル
マルチレベル推定量
連続変数のモデル化
- 線形
 - 対数-線形
 - 対数-ガンマ
 
バイナリアウトカムのモデル化
- ロジスティック
 - プロビット
 - 補間ログログ
 
カウント型アウトカムのモデル化
- ポアソン
 - 負の二項分布
 
カテゴリ型アウトカムのモデル化
- 多項ロジスティック
 
順序型アウトカムのモデル化
- オーダードロジスティック
 - オーダードプロビット
 
その他
- 一般化線形モデル (GLM)
 
新機能
- ネスト型モデル(階層型)
 - クロス型モデル
 - ランダム型定数項
 - ランダム型係数
 - 分散要素への制約
 - 分布の仮定を緩めた場合にも対応可能なロバーストタイプの標準誤差
 - 相関のあるデータに対するクラスタ対応のロバースト型標準誤差
 
マルチレベルの混合効果モデルは既に線形、ロジスティック、ポアソン回帰にて対応していましたが、今回からプロビット、補間ログログ、オーダードロジスティック、オーダードプロビット、負の二項分布、一般化線形モデルに対応しました。
   		    さらに、すべてのコマンドにおいて分散要素への制約と、ロバーストな標準誤差、クラスタに対応したロバーストな標準誤差をサポートしました。 
すべてのコマンドの処理速度が向上しました。また、マルチレベル混合効果回帰用に356ページのマニュアルを作成しました。
4.予測
- 時系列とパネルデータセット
 - 複数の推定結果 VAR, VEC, ARIMA, ARCH, 3SLS, その他
 - アドファクタなどの調整項
 - ダイナミック/スタティック予測
 - 同時方程式の求解
 - 確率的シミュレーションによる信頼区間
 - 異なるシナリオによる予測の比較
 
新しい-forecast-コマンドは複数のStata推定コマンドによる推定結果と、ダイナミック/スタティック予測、そして予測の信頼区間の計算を組み合わせて予測計算を行います。
   		    モデルの選択と予測値の計算をシナリオ毎におこなえますので、政策の評価を行うことが可能です。特にマクロ経済分野の用途に便利です。 
5.検出力とサンプルサイズ
計算
- 検出力
 - サンプルサイズ
 - 最小検出効果
 - 効果サイズ
 
比較
- 平均(t-検定)
 - 比率
 - 分散
 - 相関
 
デザイン
- マッチしたケースコントロール研究
 - コホート研究
 - クロスセクション研究
 
テーブルとグラフ
- 自動
 - カスタム
 
そしてこれらのマニュアルを用意しました。
6.新しく拡張したランダム効果パネルデータ推定量
新機能
- ランダム効果オーダードプロビット
 - ランダム効果オーダードロジット
 
分布の仮定を緩めた場合のロバーストな標準誤差
相関のあるデータに対するクラスタ対応のロバーストな標準誤差をサポート。
堅牢でかつ、クラスター型の堅牢な標準誤差
- 新しい推定量
 - 既存の推定量で、補間型ログログ、プロビット、ロジット、ポアソン
 
順序プロビットとオーダードロジスティックの同時線形回帰としてプロビット、ロジスティック、補間型ログログを推定できます。
7.効果サイズ
これの機能は行動依存型科学および心理学者にとって有用なコマンドです。
平均の比較
- Cohenの d
 - Hedgesの g
 - Glassの Delta
 - 点/2系統の系列相関
 - データからの推定と出版物からのサマリー統計量
 
回帰とANOVAによって説明可能な分散
- eta二乗および偏eta二乗
 - オメガ平方および偏オメガ平方
 - データからの推定
 - データまたは印刷済みの要約統計統計量から得た各種統計量
 
信頼区間の計算
8.プロジェクトマネージャ
- ファイルを階層的に管理しますので、すばやく目的のファイルにアクセスできます。
 - 1プロジェクトで数千のファイルを管理できます。すべてのファイルを一度に閲覧することも可能です。
 - 複数のプロジェクトの管理。
 - ファイルをグループ化してプロジェクト内でカテゴリ別に管理できます。
 - ファイル名をダブルクリックしてDoファイルを実行し、データセット、グラフ、Doファイルを表示できます。
 - プロジェクトマネージャでファイルをリネームできます。
 - ファイル名へのフィルタリング
 - キーワードによるファイル検索
 
プロジェクト内にてDoファイル、adoファイル、データセット、元データなどの管理が可能となりました。
9.Javaプラグイン
- StataからJavaメソッドを直接コールできます。
 - Stataのデータセット、行列、マクロはインタラクティブの応答します。
 - Javaの拡張機能としてStataを活用可能。
 - Javaのサードパーティライブラリや自分で作成したJavaコードを利用できます。
 
10.長い文字列を取り扱うstrL(スタール)
文字列変数で利用できる文字列の長さを244文字から20億文字に大幅に拡張しました。 Stataのdtaファイルにおいて非常に長い文字列を格納することができます。
例を用いて具体的にご説明します。
      str1, str2, ..., str244, str245, ...,  str2045, and strL
                               ---------------------      ----
                                        new               new
	  各strLs (スタール)にはアスキー、バイナリ、どちらの形式保存できます。スタールは内容が同じであれば、その中身を共有してメモリーを節約します。例えば、2MBのドクターノートがあるとして、これを異なる5人の患者のデータに付与します。スタールは5個のデータに付属することになりますが、トータルの容量は10MBでなく、2MBに過ぎません。
スタールは文字列変数とまったく同じ要領で操作できます。Stataのすべての関数とコマンドはこのスタールをサポートします。例えば、-substr()-, -generate-, -replace-, -by-, -sort-, -tabulate-などでもスタールをご利用いただけます。ただし、データのマージを行う際のキー変数としては利用できません。
11.その他
- ヘルプファイル検索機能の改良
 - セキュアなHTTPおよびFTPをサポート
 - ヘックマンのサンプルセレクションに対応したオーダードプロビットモデル
 - 推定プログラムを記述することなく、MLモデルを推定する方法を用意
 - 新たにfractional-polynomialのプリフィックスコマンドを用意
 - Q回帰においてロバーストな標準誤差をサポート
 - 因子変数においてバリューラベルとラベリング出力をサポート
 - Haver Analyticsのデータインポートに対応
 - ビジネスカレンダーの自動作成
 - データの読み込みを簡単に行う新しいインポートコマンドを用意
 - StataからWordおよびExcelファイルの作成をサポート
 - 非線形連立式のソルバを用意
 - -cls-コマンドによるResultsウィンドウのクリア
 
Stata13 動作環境
プラットフォーム互換性
Stata13 はWindows, Macintosh, Linux上で利用することができます。Stata13 のデータセット、プログラム、及びその他のデータはこれらのプラットフォーム間で共用することができます(変換は必要ありません)。
また他の統計パッケージ、スプレッドシート、データベースからデータセットをインポートする機能も用意されています。
対応OS (1枚のDVDで下記の全てのOSに対応しています。)
| 
						 Stata for Windows  | 
						
						 Windows 10 *  | 
					
| 
						 Stata for Mac  | 
						
						 Mac OS X 10.6.8以上が動作している64bit Intelプロセッサ(Core2 Duo以上)搭載のMac  | 
					
| 
						 Stata for Unix  | 
						
						 linux(64bit、32bit)  | 
					
最低動作環境
- メモリ:512MB
 - ディスク(HDD):600MB
 - DVD版の場合はDVD-ROMドライブ必須
 - Stata for Unixでは1000色以上(16bitまたは24bitカラーなど)出力ができるビデオカードが必須
 
インストール可能台数
シングルライセンスのStata13は3台のPCにインストール可能です。ただし、これは1人のユーザが自宅、職場、持ち運び用のノートPCにStata13をインストールし、同時に利用しない場合に限ります。
※1台を複数人で供用したり、3台のPCにインストールしてそれぞれを別の人が利用するような使用方法は使用許諾書で禁止されています。
旧バージョンとのファイルのやり取りについて
- 読み込み: Stata13はStata9~Stata12のファイルを読み込み可能であることを弊社で確認済みです。
※それ以前のバージョンのファイルを読み込み可能かどうかはお問い合わせください。 - 保存: Stata13は旧バージョンのStata12、Stata11で読み込める旧形式でファイルを保存できます。
※それ以前のバージョンのファイル保存形式はサポートしていませんので、テキストファイル経由になります。 
'Stata is a registered trademark of StataCorp LLC, College Station, TX, USA, and the Stata logo is used with the permission of StataCorp.'
		
