第2回 統計で困った時はStataが解決してくれる
東京医科大学 公衆衛生学分野 講師
菊池宏幸先生
東京医科大学 公衆衛生学分野で講師をされている菊池宏幸先生に、ご自身の研究で利用頂いているStataの魅力について、お話を伺いました。
菊池先生の研究分野
身体活動・運動の分野で、病気予防のために自発的に運動したくなるような環境づくりや働く人のストレスやワークエンゲージメントについての研究をされています。
動作が軽快なのでストレスなく、作業効率も上がります
— Stataを使い始めたきっかけは?
2004年から1年間、エクステンシブプログラムでUCLA※に留学している時です。大学院生の1年目で、公衆衛生学は「統計」と「疫学」をもうひとつ「好きな科目」を選択する集中コースがありました。
このコースでは講義と演習がセットになっていて、授業で学んだことをStataで演習しました。勉強は色々と大変だったんですけど、そこで基礎を学ぶことができました。
日本に戻ってきてからも、Stataを使っている人が周りに結構いましたし。同じ分析をするにあたって、データのコードとかどんな分析をするかなど、コミュニケーションを取りやすかったので、今まで継続して使っています。
※ カリフォルニア大学ロサンゼルス校
— Stataの気に入っているところは?
まず、動きが軽くて速いというのが大好きです。他社の統計解析ソフトウェアを使った授業もしていますが、起ち上げが遅いですし、分析しているときにプロセスが止まったりして困ることがあります。
自分の研究では高度な統計手法は使っていないと思いますが、変数名を変えたり、データクリーニングをしたりとか、そういった処理を丁寧にするのに時間がかかります。そういったことをStataで軽快にできるのがありがたいですね。
私たちが取り扱うデータは、クリニカルデータやアンケート調査のデータなどですが、体重の項目に1000kgと記入されているなど、実際にはあり得ない数値が入っていることがあります。そういうものを見つけて、処理をすることに手間がかかります。
このような場合、以前はExcelで最小値と最大値を確認していましたが、この方法では人為的ミスが起こることもあります。Stataではコマンド操作のため比較的簡単に外れ値のような関心のあるデータを見つけることができます。
Check!
最小値と最大値に関して、Stataでは上位データ10項目や下位データ5項目などの関心のある数値を抽出し、外れ値をコマンド操作で簡単に見つけることができます。コマンドについては、以下を実行してください。
1. 順位を作成します. egen rank=rank(変数)
2. 下位データ5項目を抽出します. list 変数 if rank<=5
ヘルプやPDFマニュアルに充実した情報がそろっています
— Stataで解析するうえでおすすめの資料や書籍はありますか?
他のソフトに比べ、Stataは書籍などの情報が少ないのではという意見もありますが、あれだけ充実したヘルプ機能やPDFマニュアルの情報があり、さらにリファレンスもきちんと載っているので、あれ以上のことをやる必要があるのかと感じます。
何か統計で困ったなということがあれば、まずヘルプファイルを見ます。丁寧にexampleも記載されているので、そこまで読めば、初めて見る統計内容でも、ある程度の理解はすぐに得られます。なにより統計ソフトとセットになっているところが、一番使いやすいです。
ただ、日本語の情報ということを考えると、確かに少ないと思います。医学分野では英語で論文を書くことが多いので、英語の資料であっても、それが勉強だと思ってコツコツやっていくのが良いのではないでしょうか。
もちろん、学部学生など統計に初めて取り組む人に向けて、操作方法と結果の読み方だけを解説するような本があっても良いと思います。
Stataに搭載されている統計手法別の主なリファレンスマニュアル
[BAYES] Bayesian Analysis
[CM] Choice Models
[DSGE] DSGE
[ERM] Extended Regression
[FMM] Finite Mixture Models
[IRT] Item Response Theory
[Lasso] Lasso
[ME] Multilevel Mixed Effects
[META] Meta-Analysis
[MI] Multiple Imputation
[SEM] Structural Equation Modeling
[SP] Spatial Autoregressive Models
[ST] Survival Analysis
[SVY] Survey Data
[TE] Treatment Effects
[TS] Time Series
[XT] Longitudinal Data/Panel Data
ビッグデータの処理を正確にできるのが気に入っています
— どういった研究にStataを活用していますか?
ひとつは、公衆衛生学の中でも身体活動・運動といった分野で、いかにして人に運動をしてもらえるだろうかとか、運動することでどれだけ病気を予防できるだろうかということを研究しています。
一口に運動するといっても、体にいいことは分かっているけど、それでも運動しない人が多いわけです。それならば、そういった方に運動してもらうために、例えば近所のスーパーに買い物に行く時に、歩いて行きたくなるようなストリートにするにはどうすればいいのかというような研究をしています。
もうひとつは、職業性ストレスです。職場でどういう人にストレスがかかりやすいかとか、それをいかに小さくするかなど、働く人のストレスについて研究をしています。
働く人のデータになると、5万とか10万単位のデータを扱います。そのため、外れ値を探したりとか、入力ミスを探したりするのがExcelでは対処できないんですね。そんな大きなデータを何十人と共有して分析するので、きちんとログが残るStataでやっていますね。
— Stataで改善を希望するところはありますか?
ライトストーンで開催しているStata入門コースをオンラインで開催してもらえるとありがたいですね。
Stata ウェビナーのご紹介
入門者向けのStataウェビナーを開催しております。詳しくは当社Webページをご覧ください。
https://www.lightstone.co.jp/stata/seminar.html
Stata マニュアルダウンロードのご紹介
当社では日本語によるStataの基本的な操作方法を解説したマニュアルのダウンロードが可能です。
https://www.lightstone.co.jp/stata/download.html
— 本日はご多忙中にもかかわらず、貴重なお話をお聞かせ頂きありがとうございました。

