EViews7

EViews7 新機能一覧

EViews7の新機能をカテゴリ毎にご紹介します。

  1. パフォーマンス
  2. インターフェース
  3. データ処理
  4. 文字列の取扱い機能
  5. グラフ機能
  6. プログラミング機能
  7. 外部インターフェース
  8. 計量分析と統計分析
  9. 推定
  10. 検定と診断
  11. 一部日本語に対応(グラフとフォルダ/ファイル名)

1. パフォーマンス : 計算速度の向上

統計分析機能の計算速度が向上しました。繰り返しのある計算や、複雑な計算の実行時間がより短くました。

  • マルチプロセッサーをサポート

マルチスレッド計算機能のサポートにより、8プロセッサを利用してデータの処理が可能になりました。デフォルトでEViewsは自動的に計算内容と利用可能なプロセッサ数を分析し、計算負荷の最適な分割を行います。

マルチプロセッサー


2. インターフェース

  • EViews操作画面のカスタマイズ

ウィンドウ、背景、ツールバー、ステータスバーなどの操作環境を、好みの色で表示できます。

画面のカスタマイズ

  • ドラッグ-ドロップ機能の拡張

EViews7でドラッグ&ドロップの機能が拡張されました。異なるワークファイル間でもドロッグ&ドロップが利用できます。seriesをgroupに追加したり、equationをmodelに追加する場合にも利用できます。

ドラッグ&ドロップ

 

  • コマンドウィンドウインターフェースの改良

先に実行したコマンドの簡単に呼び出せます。コマンドウィンドウで CTRL+上向き矢印、で実行済みのコマンドをさかのぼって画面に表示でき、 CTRL+Jで履歴を小さなポップアップウィンドウに表示します。 コマンドウィンドウを操作画面上で、好きなところへ移動できます。従来、コマンドウィンドウは画面上部に固定されていましたが、自分の好みの位置に配置できるようになりました。

  • グラフオプションインタフェースの改良

EViews7では Graph Optionsタブのデザインを全面的に変更しました。オプションの機能はほとんど同じですが、カテゴリをより明確に分けました。ダイアログのタブの代わりに、画面左側にツリー構造でオプションをカテゴリ分けしました。

  • グローバルオプションインタフェースの改良

EViews6の時の様々なグローバルオプションを、 Geneal Optionsダアイログに統合しました。このダイアログに新たに追加された項目を紹介します。 Winodws/Appearanceは EViewsの操作画面の色をテーマ別に選択できます。 Advanced system optionsではマルチプロセッサについての設定を行います。 Programsの項目にある Runtime settingではログに記録する項目を選択します。

  • ウェブ経由の EViewsオートアップデート

IHS社は改良を施した EViewsのパッチプログラムを頻繁に公開しています。 EViews7は毎日、最新のアップデート版をインターネット経由で確認し、新しいものが利用可能であれば、自動的にそれをインストールします。もちろん、自動更新の機能をオフに設定することもできます。


3. データ処理機能

  • 新しいワークファイルのデータ度数

ワークファイルの Frequencyの種類が増えました。従来のものに加え、 Multi-year(例えば3年ごとなど)、 Bimonthly(半月), Fortnight(2週間)、 Daily-custom week(例えば月曜から木曜まで)、 Intraday(例えば2008年1月5日0時から1月30日まで30秒ごと)。


4. 文字列の取り扱い機能の強化

  • String List

文字列を対象にした関数を増やしました。例えば、複数の単語リストから、目的の単語を検索する場合に、 @wkeep("ABC ABCC AABC", "?B*")として、Bの前に任意の一文字、 Bの後ろに複数の文字を取る単語を検索します。

  • String Function

既存の関数 @leftは文字列の一番左側の文字を取り出しますが、複数の単語を並べたリストから @wleftは左端に位置する単語を取得します。また、単語を格納するための Svector(文字列ベクトル)オブジェクトを用意しました。

  • プログラミングサポート機能の改良

Stringオブジェクトを導入しましたので、次のようなプログラミングコードの記述ができます。 string LAGGDP="GDP(-1) GDP(-2) GDP(-4)" equation eq1.ls GDP C {LAGGDP} これは結果として次のコマンドを実行したことになります。 equation eq1.ls GDP C GDP(-1) GDP(-2) GDP(-4) これは一例です。 Stringオブジェクトにはこの他にも色々な用法があります。

  • FREDデータベースへのサポート

FRED(Federal Reserve Economic Data)は Economic Research Division of Federal Reserve Bank of St.Louisによる、合衆国を初めとする様々な国々の時系列データ(金利、為替レート、国民所得勘定など)を20,000個以上提供するフリーのデータベースです。従来はダウンロード後に EViewsに取り込みましたが、 EViews7からは直接、 EViewsデータベースに取り込めるようになりました。 Standard版、 Enterprise版、どちらも対応しています。

  • Excel 2007ファイルの読み込みをサポート

Excel2007のデフォルトフォーマットXLSXを直接開くことができます。

  • 外部形式のファイルのサポートを強化

既存のワークファイルに、新たに外部形式のデータを追加したり、他のワークファイルのデータを追加する機能を強化しました。


5. グラフ機能

  • データに応じてグラフを自動更新

seriesオブジェクトから Freeze機能で作成した graphオブジェクトは、写真と同じものですから、データとは切り離されてた状態になりました。 EViews 7では graphオブジェクトでもリンクさせる更新機能を新たにサポートしました。

  • グラフ上に座表値を表示

seriesオブジェクトのグラフビューや、 graphオブジェクトにおいて曲線(直線)上にマウスを移動すると、該当するデータの座標値を表示します。表示形式も細かく設定できます。

  • 軸上の日付ラベルフォーマットの改良

軸上にプロットする日付ラベルのフォーマットを詳細に設定できるようになりました。日付ラベルが長い場合、それを2行に分けて表示することもできます。

  • グリッドラインの表示コントール機能を改良。

  • EViews 7ではユーザが自由にグリッドラインの間隔を設定できます。

グリッドラインの間隔制御


  • カスタムラベル機能のフレキシビリティを向上

軸ラベルに本来の数値目盛りの代わりに、他の数値や文字をラベルとして表示する機能をサポートしました。


6. プログラミング機能

  • プログラムメッセージのロギング(記録)

  • プログラムフィルタエディタによる複数行のコメント作成

コメント文の先頭にアポストロフィを付けますが、マウスで目的のコメント文を選択し、右クリックで一括指定できるようになりました。

  • プログラミング文法の拡張

  • ユーザ定義のダイアログ

プログラム実行におけるインタフェースとしてユーザ定義のダイアログを設計、利用できます。ダイアログは EViewsのプログラミングコマンドを利用して作成します。
ユーザ定義ダイアログ

  • プログラミング文法の拡張

  • 新しいオブジェクトデータメンバ

新たに色々なデータメンバを追加しました。

  • 新しいプログラミングコマンド

プログラミングの効率を上げるために、新しいコマンドを追加しました。


7. 外部インタフェース

外部プログラムから EViewsの起動、データの送信、そして EViewsで分析を実行するスクリプトが利用できます。 MATLABと Rの強力なプログラミング言語を EViewsの中で記述でき、それらのプログラムでの処理結果を受け取ることができます。

  • Microsoft ExcelにEViewsファイルのデータを取り込む

EViews7.1をインストールすると、自動的にExcel用のadd-inをインストールします。Excelでこのadd-in機能を利用する場合はExcel側でアドイン機能を有効にします。詳細は次のPDFファイルをご参照ください。
http://www.eviews.com/download/whitepapers/Using_EViews_Excel_AddIn.pdf

  • OLEDBドライバ

EViewsワークファイル( WF1)と EViewsデータベース( EDB)のデータを外部プログラムから読み取るための EViews OLEDBドライバを用意しました。 EViewsをインストールすると、 OLEDBドライバも自動的にインストールします。

  • EViews COMオートメーションサーバ

外部のプログラムから EViewsを起動し、何らかのスクリプトを実行させることができます。 EViews COMにはマネージャとアプリケーションの2つのクラスが用意されています。

  • EViews COMオートメーションクライアント

EViews 7は2つのアプリケーション MATLABと Rに対するクライアント機能をサポートしています。 EViewsではまだサポートされていない計算プログラムやルーチンが MATLABや Rに用意されていれば、 EViewsの中からその機能を利用できます。


8. 計量分析と統計分析

  • 補間機能

seriesのプロシージャとして補間機能( Linear,Log-linear, Catmul-Rom Spline, Cardinal Spline)を追加しました。

  • ホワイトニング

seriesと groupのプロシージャとしてホワイトニング機能を追加。

  • ロングラン共分散

seriesと groupでロングラン分散とロングラン共分散の計算をサポートしました。

  • 分散比検定

分散均一や分散不均一なランダムウォークに対し、 Lo and MacKinlayの分散比検定をサポートしました。

  • Engle-Grangerの共和分検定

従来、共和分検定は Johansenの共和分検定をサポートしていましたが、さらに Engle-Grangerの共和分検定もサポートしました。
Engle-Grangerの共和分検定


9. 推定

  • TSLS/IV推定機能の改良

TSLS推定で堅牢な標準誤差のオプションと、自由度調整のオプションを拡張しました。

  • LIML

一推定式で Limited Information Maximum Likelihood(LIML)と K-class推定を新たにサポートしました。

  • GMM推定機能の刷新

HAC加重行列のオプションを拡張し、定数項を利用しないモデルも選択できるようになりました。さらに、連続更新推定( CUE:Continuous updating estimation)のサポートし、標準誤差オプションを拡張しました。
GMM推定機能

  • 共和分回帰

共和分関係にあるモデルの推定( Fully Modified OLS, Canonical Cointegration Regression, Dynamic OLS)と検定 (Engle and Granger(1987),Philips and Ouliaris(1990) Hansen(1992b),Park(1992))をサポートしました。
共和分関係

  • 一般化線形モデル

一般化線形モデル( Nelder and McCullagh,1983)の推定手法をサポートしました。
一般化線形モデル

  • 加重最小二乗における新しい加重の設定方法


10. 検定と診断

  • 標準化係数と係数弾力性の計算

重回帰モデルで係数推定量、標準化係数推定量、平均値における弾力性を計算します。

  • 係数の信頼区間

推定後のパラメータの信頼区間を計算し、表形式で表示します。
信頼区間

  • 分散インフレーションファクタ( VIF)の計算

推定式を構成する説明変数間の共線性の水準を計測する VIF( centeredと uncentered)という値の計算をサポートしました。

  • 係数分散分解

係数共分散行列の固有値分解を行います。説明変数間の潜在的な共線性問題の診断に利用します。 Belsley,Kuh and Welsch(BKW) 2004(Section 3.2)による分解計算を行います。


11. 次の2点で日本語に対応。

  • ファイル名やフォルダ名

ファイル名やフォルダ名..デスクトップにワークファイルを保存すると、開けなくなることがありましたが、日本語文字にも対応したプログラミングの改良により、制限はなくなりました。

  • graphオブジェクトへの日本語対応

seriesをフリーズした graphオブジェクトで日本語を利用できます。他のアプリケーションにコピー&ペーストしたり、画像ファイルとしてエクスポートしても文字化けしません。
日本語の対応

*旧バージョンでも日本語の入力はできましたが、画像ファイルとしてエクスポートしたり、コピー&ペーストすると文字化けしていました。開発元IHS社の協力でプログラムコードベースで、日本語フォントへの対応を実現しました。

このページのトップに戻る↑

page_top_icon