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一推定式による分析 一推定式による分析(上級) 複数推定式の分析

Ⅲ - 13. システムの推定(ユーザーズガイドⅡ 31章より)

EViewsでは値が不明なパラメータを含む推定式のグループをシステムと呼んでいます。ここではGreenがまとめたBerndt and Wood (1975)のトランスログ費用関数を用いて、EViewsにおけるシステム推定の操作方法を具体的に説明します。

操作1

サンプルファイルフォルダのチャプター30フォルダからワークファイルG_costを開きます。本来ならば新たにシステムオブジェクトを作成し、数式を入力しますが、ここでは、既に作成済みのシステムオブジェクトを利用することにします。SYS_URをダブルクリックして開きます。

操作2

このモデルを全情報最尤法を使って推定します。Estmateボタンをクリックして、Full Information Maximum Likelihoodを選択します。各推定式に対する推定係数と回帰統計量を算出します。推定係数は上側に、各推定式の統計量は下側に表示されます。

操作3

ここで対象制限条件の検定を行います。View/Coefficient Diagnostics/Wald Coefficient Testsと操作します。表示されるダイアログに画面のように入力します。OKボタンをクリックすると、結果が表示されます。この結果から対象制限条件は棄却されません。よって、改めて対象制限条件を付けてシステムを再度実行することにします。

操作4

トランスログモデルの対象な価格係数に制限条件を設定します。つまり、各推定式で対象な位置関係にある係数に同じものを利用するよう推定式を変更します。 C_lのC(6)をC(3)に、C(7)をC(6)に、C(8)をC(7)に変更します。C_Eの式では、C(9)をC(8)、C(10)をC(4)に、C(11)をC(7)に、C(12)をC(9)に変更します。 Estimateボタンをクリックし、Full Information Maximum Likelihoodを選択します。 対数尤度は最初のテーブルの一番下に表示します。尤度比検定を行う際はこの対数尤度を利用します。

操作5

誤差が正規分布することを仮定して最尤法を行いますので、ここで残差の分布を検定してみましょう。Proc/Make Residualと操作し、残差のダイアログを表示します。ここでは普通の残差(ordinary)を選択し、Basename for residualsにRESIDと入力し、OKボタンをクリックします。すでにRESID01から03までのシリーズが存在するため、RESID04から06というシリーズがワークファイルに保存され、グループオブジェクトとして表示されます。View/Descriptive Statsとして、グループにおける残差シリーズの記述統計量を求めます。Jarque-Bera統計量をみると、2番目の推定式の仮説が棄却されることがわかります。

他の参照先

システム推定の技術的な詳細に関しては、ユーザーズガイド2の470ページから481ページを参照してください。

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