OriginとExcelのグラフの種類の比較

研究者・技術者の方がExcelを使い、業務でグラフを作成することは日常的に行われていることかと思います。しかしExcelは、ビジネス用途の表計算ソフトウェアとして生まれたため、研究や実験結果をグラフにしようと思ったときに、科学技術分野ではよく使われているグラフ形式なのにExcelではサポートされておらず、必要なグラフを作図できないということも珍しくありません。

一方Originは、科学技術分野向けのグラフ作成と解析を目的としたソフトウェアですので、さまざまな分野の科学者・技術者が利用する幅広いグラフタイプをサポートしています。多軸グラフや統計グラフ、等高線図や3Dグラフ、特殊な分野で使われる専門グラフ、直交座標以外の座標系のグラフなどを標準でサポートしており、科学者・技術者が頭の中で思い描いた図を表現できます。

ここでは、ExcelとOriginで作図できるグラフの種類を比較してみましょう。 ExcelとOriginでは、同じグラフタイプでも名称が異なったり、逆に同じ名前でもグラフタイプが異なっている場合などもあり、厳密に比較することは難しいのですが、それぞれの傾向はつかめるかと思います。

※使用した各ソフトウェアのバージョン:Origin 2021b、Excel 2019

Originのグラフ選択画面

Excelのグラフ選択画面

Originの場合

  1. 基本の2Dグラフ
  2. Originでは、散布図、折れ線グラフ、線+シンボル図、縦棒/横棒グラフ、円グラフ、面グラフ、エラーバー付きのグラフなど、科学技術分野に限らず幅広い分野、シーンで利用される基本的な2Dグラフを多数サポートしています。

    (Originで作図できる基本の2Dグラフ)

    2D散布図、列散布図、エラーバーグラフ、エラーバンドグラフ、散布図+ラググラフ、バブルプロット、カラーマップ散布図、カラーマップバブルプロット、折れ線グラフ、水平階段グラフ、垂直階段グラフ、スプライングラフ、線+シンボルグラフ、線系グラフ、前-後グラフ、2点線分、3点線分、スプライン接続グラフ、縦棒グラフ、縦棒+ラベルグラフ、横棒グラフ、積み上げ縦棒グラフ、積み上げ横棒グラフ、100%積み上げ縦棒グラフ、100%積み上げ横棒グラフ、浮動縦棒グラフ、ロリポッププロット、垂直ドロップライングラフ、2Dカラー円グラフ、3Dカラー円グラフ、ドーナツグラフ、円グラフ+円グラフ、円グラフ+棒グラフ、円グラフ+ドーナツグラフ、ドーナツ(スライス合計 = 100)グラフ、異なる半径の円グラフ、異なる半径のドーナツグラフ、密度ドットグラフ、色付きドットグラフ、面積グラフ、積み上げ面積グラフ、100%積み上げ面積グラフ、色付き面積グラフ、塗りつぶしグラフ、カラーマップ線系グラフ、Yオフセット付き積上げ折れ線グラフ、カイトダイアグラム、行データプロット

  3. 複数区分/複数軸グラフ
  4. 多軸グラフや複数のグラフを並べた「複数区分グラフ」が充実していることもOriginの特徴の1つです。標準で用意されたグラフテンプレートを利用するだけで、これらのソフトを作図できます。

    (Originで作図できる複数区分/複数軸グラフ)

    2重Y軸グラフ、二重Y軸縦棒グラフ、2重Y 縦棒折れ線シンボルグラフ、三重Yグラフ、四重Yグラフ、複数Y軸グラフ、垂直2区分グラフ、水平2区分グラフ、4区分グラフ、9区分グラフ、積み上げグラフ、複数パネルグラフ、インセットグラフ(ズームグラフ)

  5. 統計グラフ
  6. 箱ひげ図(ボックスチャート)やヒストグラム、分布グラフなど、おもに統計の分野で利用するグラフも、Originは豊富にサポートしています。例えばOriginではヒストグラムを作図できますが、単なる棒グラフが作図されるのではなく、生データを選びヒストグラムを作図するメニューを選ぶだけで、データの集計と図の作成ができるヒストグラムの作図に特化した機能を備えています。また、作図したダブルクリックすれば、ヒストグラムの設定を変更する画面が開き、ビンサイズなどを簡単に変更できます。

    (Originで作図できる統計グラフ)

    ボックスチャート(箱ひげ図)、区間プロット、棒グラフ、棒+点グラフ、棒+正規曲線グラフ、半ボックスグラフ、散布幅グラフ、二重Y軸ボックスチャート、ヒストグラム、ヒストグラム+ラググラフ、ヒストグラム+確率グラフ、複数パネルヒストグラム、分布グラフ、分布+ラググラフ、ラベル付きヒストグラム、積み上げヒストグラム、人口ピラミッドグラフ、ヒストグラム投影グラフ、散布図行列グラフ、バイオリンプロット、ボックス付きバイオリンプロット、点列付きバイオリンプロット、四分位付きバイオリンプロット、棒付きバイオリンプロット、バイオリン分割プロット、半バイオリンプロット、ビースウォームプロット、ボックスチャート投影グラフ、パレート図、QCチャート、滝グラフ、積み上げ滝グラフ、積み上げ合計滝グラフ、平行滝グラフ、確率プロット(P-P図)、Q-Q図、グループ化分布投影グラフ、Bland-Altmanプロット

  7. 等高線グラフ、3Dグラフ
  8. 等高線図(等値線図あるいはコンター図)と3Dグラフは、特にOriginが得意とするグラフタイプです。任意のX/Y位置でのZ値を抜き出して等高線図と並べた等高線プロファイルグラフや、座標系が異なる極座標/三点等高線図の作図にもサポートしています。

    (Originで作図できる等高線グラフ)

    カラーマップ等高線図、グレースケール等高線図、ラベル付き等高線図、ヒートマップ、ラベル付きヒートマップ、分割ヒートマップ、等高線プロファイルグラフ、イメージプロファイルグラフ、極座標等高線図、三点等高線図、2Dカーネル密度グラフ、イメージプロット

    (Originで作図できる3Dグラフ)

    3D散布図、3D散布図+エラーバー、3D折れ線グラフ、トラジェクトリグラフ、3Dベクトル図、リボングラフ、ウォールグラフ、3D積み上げウォールグラフ、3D 100%積み上げウォールグラフ、3Dウォーターフォールグラフ、ワイヤーフレーム曲面図、色付きワイヤーフレーム曲面図、3Dカラーマップ曲面図、投影図付き3Dカラーマップ曲面図、3D棒グラフ、3D積み上げ棒グラフ、3D 100%積み上げ棒グラフ、XYY 3D棒グラフ、XYY 3D積み上げ棒グラフ、XYY 3D100%積み上げ棒グラフ、3Dカラーマップ三点曲面図、3D三角錐グラフ(4成分ダイアグラム)、3D 三点シンボルグラフ、パラメトリック曲面グラフ、エラーバー付き3Dカラーマップ曲面図、複合カラーマップ曲面図

  9. 特殊グラフ
  10. トリリニアダイアグラムやシュティフグラフ、スミスチャートなど、特殊な分野で利用されるグラフも、Originは豊富にサポートしています。

    (Originで作図できる特殊グラフ)

    ベクトルグラフ、三点グラフ、トリリニアダイアグラム、ドゥーロフプロット、シュティフダイアグラム、シュティフマップダイアグラム、スミスチャート、レーダーチャート(スパイダープロット)、極座標グラフ、極座標棒グラフ、放射積み上げグラフ、放射棒グラフ、放射積み上げ棒グラフ、極座標ベクトルグラフ、コンパスプロット、ブレットチャート、ウィンドローズ、株価チャ-ト(HLC)、ローソク足チャート、株価チャート(OHLC)、株価チャート(OHLC-出来高)、株価折れ線チャート、ストリームラインベクトルグラフ、ツリーマップ(※)
    ※ツリーマップは、無料で追加できるOriginのアプリを使い、作図します

  11. カテゴリカルグラフ
  12. Originは、カテゴリカルデータから作図するカテゴリカルグラフをサポートしています。サンキーダイアグラムやコードダイアグラム、ネットワークプロットといった、データの関係性や流れを表現するためのグラフなどを作図できます。

    (Originで作図できるカテゴリカルグラフ)

    トレリスプロット、二重Yトレリスプロット、クラスタープロット、平行座標プロット、サンキーダイアグラム、アルビアルダイアグラム、コードダイアグラム、ネットワークプロット

  13. 関数グラフ
  14. 関数を入力することで作図できる、関数グラフをOriginはサポートしています。2D、3Dの関数グラフをサポートしています。

    (Originで作図できる関数グラフ)

    2D関数グラフ、2Dパラメトリック関数グラフ、3D関数グラフ、3Dパラメトリック関数グラフ

Excelの場合

  1. 基本の2D/3Dグラフ
  2. Excelでは、ビジネス分野などでよく使われる基本的な2D/3Dグラフをサポートしており、縦棒/横棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフ、散布図などを作図できます。

    (Excelで作図できる基本の2D/3Dグラフ)





    集合縦棒、積み上げ縦棒、100%積み上げ縦棒、3D集合縦棒、3D積み上げ縦棒、3D 100%積み上げ縦棒、集合横棒、積み上げ横棒、100%積み上げ横棒、3D集合横棒、3D積み上げ横棒、3D 100%積み上げ横棒、円、3D円、補助円グラフ付き円、補助縦棒付き円、ドーナツ 折れ線、積み上げ折れ線、100%積み上げ折れ線、マーカー付き折れ線、マーカー付き積み上げ折れ線、マーカー付き100%積み上げ折れ線、3D折れ線、面、積み上げ面、100%積み上げ面、3D面、3D積み上げ面、3D 100%積み上げ面、散布図、散布図(平滑線とマーカー)、散布図(平滑線)、散布図(直線とマーカー)、散布図(直線)、バブル、3D効果付きバブル

  3. 統計グラフ
  4. 基本的な2D/3Dグラフ以外となると、Excelで作図できるグラフタイプはかなり限られます。Excelで作図できる統計グラフは箱ひげ図とヒストグラム程度です。

    (Excelで作図できる統計グラフ)

    箱ひげ図、ヒストグラム

  5. 等高線グラフ、3Dグラフ
  6. Excelでは、等高線図や等高線図を3Dにした3D等高線図などを作図できます。ExcelとOriginでグラフの名称が異なるものもあります。

    (Excelで作図できる等高線グラフ、3Dグラフ)

    3D等高線、ワイヤーフレーム3D等高線、等高線、ワイヤーフレーム等高線

  7. その他のグラフ
  8. Excelでは、そのほかにレーダーチャートや株価グラフなど、いくつかの用途の限られるグラフタイプをサポートしています。

    (Excelで作図できるその他のグラフ)






    レーダー、マーカー付きレーダー、塗りつぶしレーダー、株価(高値-安値-終値)、株価(始値-高値-安値-終値)、株価(出来高-高値-安値-終値)、株価(出来高-始値-高値-安値-終値)、ウォーターフォール、サンバースト、じょうご、ツリーマップ、塗分けマップ

まとめ

作図できるグラフタイプについては、Excelでは基本的な2D/3Dグラフは一通りの機能を備えていますが、科学技術分野向けのグラフや特殊なグラフ、直交座標以外の座標系のグラフなどでは、Originが圧倒的に充実しています。

また、基本的な2D/3Dグラフについても、多軸グラフ/複数区分グラフのように、グラフを重ね合わせたり、並べたりする応用的なグラフについては、Originでは標準でグラフテンプレートを持っており、簡単に作図することができます。



 


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