Origin/OriginProユーザ事例集

 

第11回 産業技術総合研究所 関西センター様

産業技術総合研究所 関西センター 齋藤 唯理亜様と竹田さほり様

エネルギー・環境領域 電池技術研究部門 エネルギー材料研究グループ
グループ長 齋藤 唯理亜様(左)と主任研究員 竹田さほり様

産業技術総合研究所 エネルギー材料研究グループでは、リチウム二次電池電解質のリチウムイオン電導について、その動きの解明のためにNMR分光法と電気化学とを融合させた独自の技術である電場印加型磁場勾配NMRを開発してきました。 その測定とデータの解析により、電解質でのイオンの動きにかかわる基本物性(イオン易動度、イオン構造、溶媒構造、イオンと溶媒との相互作用力など)を総合的に求め、それらを指標として新たな電解質材料の提案を行ってきました。 昨今の電気自動車に使用されている二次電池、今まさに、これまで培ってきたこの評価技術に最も注目が集まり、国内の大手電池材料メーカー各所から引く手あまたとなっています。

■ 分かりやすいメニューが採用を後押し

以前に、ドイツでSigmaPlotというソフトウェアがグラフ作成に使われてるのを見て、こういうソフトでさらに解析が簡単に出来るものが無いのかと思っていた矢先、大阪大学から来ていた学生がOriginを使っているのを見て、誰でも簡単に使えそうだなと試してみたのが始まりですね。それはもう20年近く前になりますが、その当時からOriginは日本語のメニューで使えるようになっていて、メニューの翻訳の仕方も、ユーザが分かりやすいように考えているなと感じたのを覚えています。また、操作を覚える時間も充分にないものですから、ライトストーンのサポートも良く利用させて頂きました。

- 有難うございます。当時の翻訳したメンバーが喜びます。現在もほぼ全てのメニューやサポートページを分かりやすく翻訳することにとても力を入れています。

- 1成分/2成分の分布関数を定義して、フィットするカスタムプログラムを以前弊社にご依頼頂いてますね?

カスタムプログラムのボタンそうです。その当時、実験で測定したデータをレポート化するプロセスをなるべく簡略化して、自動化しました。「データから散布図を作成」、「対象範囲を選択」、「フィット開始」、「X範囲を選択」、「プロジェクトを保存」のボタン5つに簡略化した内容を専用のツールバーボタンにしました。このカスタムプログラムは今でも現役ですよ(笑)

<開発プログラムによる拡散係数フィッティング結果>

使用している関数とフィットの結果

- 今回も、別のユーザ関数によるカスタムプログラムをご依頼頂き有難うございます。ご期待に添えるように頑張ります。

■ セパレータでのイオン速度を評価

- 国内外の自動車メーカーがこぞって電気自動車にシフトしていますね。

環境意識の高まりが生んだ、必然的な流れだと思います。この流れに乗り遅れまいと、様々な電池メーカーが高性能電池の開発に努めてきましたが、現在重要視されているのは、車の発進・加速に必要な高出力をいかに出せるかです。リチウム電池を安定的に利用し、かつイオンがスムースにセパレータ内で移動できるかが評価のカギとなっています。
我々の独自評価技術とNMR装置がこの技術のさらなる進歩に役立っていると強く感じています。NMR装置で取得した拡散係数データを独自の単一関数/分布関数でフィットし、正規分布を割出ます。

- 大量のデータ処理に、作業の簡略化が必須だったのですね?

拡散係数のパターンは大体決まっていますが、特定の関数でフィットさせる必要があります。それら一連の作業をスピーディに行うには、専用のプログラムを作成して対応するしかありませんでしたが、充分コスト回収は出来たと思います。

<グラフサンプル>

<開発プログラムで拡散係数データを解析するデータ範囲を設定>

開発プログラムによる解析範囲を決定

■ Origin≧Excelになりえるか?

-機能やサービスに足りない部分があればお知らせください。

特に不満は感じていませんが、ワークシート上でのセル同士の計算がExcelみたいに自由に出来るといいですね。
列同士の計算は出来ても、Excelみたいに平均を出したりするのがOriginでは出来ないので、Excel事前処理してから解析処理だけをOriginで行うという面倒な部分が解消できればいいなと思います。

- 貴重なご意見を頂き有難うございます。2017年11月に発売されたOrigin2018では、Excelと同じように、セル同士の計算が出来るようになりました。
今後もOriginだけで完結できるように改良を進めていきます。
本日はお忙しい中にもかかわらず、お話をお聞かせ頂きありがとうございました。

 

Originを研究/業務内容に合わせて、カスタマイズしてみませんか

システム開発について今回の事例でご紹介させていただいたように、グラフ作成、フィットの開始、プロジェクトの保存といった一連の操作を自動化すれば、大量のデータ処理を行う際に効力を発揮します。ライトストーンではOriginを熟知したテクニカルサポート担当とカスタムツール開発の経験が豊富なプログラマが連携して、カスタムツールの開発を行っています。「かゆいところに手の届く」ツール開発をモットーに、お客様の課題の解決に努めて参ります。是非、一度ご相談ください。

解析システムや業務システムなど、お客様のご要望に合わせたシステム開発も承っております。
詳細はこちらのページをご参照ください。

住友重機械工業株式会社様のホームページ

産業技術総合研究所 関西センター エネルギー・環境領域電池技術研究部門の詳細は、こちらのWebページからご覧ください。
https://unit.aist.go.jp/riecen/gfm/index.html