Vol.57 作図の手間をぐっと減らす!グラフ初期設定

Originの最新バージョン2025bでは、グラフの初期設定やデフォルトスタイルをまとめて管理できる新しい「グラフオプション」ダイアログが新たに追加されました。グラフ作成時の軸やフォントなどの設定をあらかじめ自分好みに整えておくことで、作図後に毎回手動で修正する手間を減らせます。このページでは、新しく登場した「グラフオプション」ダイアログの使い方と、見た目の統一・作業効率化に役立つ活用例を紹介します。

この記事を読むとこれができます!

  • 軸の線や目盛、フォントなど、グラフの見た目を一括で自分好みにカスタマイズ
  • 折れ線グラフや棒グラフ、ボックスチャートなど、個々のテンプレートをいちいち変更しなくても、初期設定を変えるだけで一括で反映!編集の手間が激減
グラフオプションで初期設定を変更すると、以降の作図で適用されます。既存のグラフにも設定を適用可能です。

グラフオプションダイアログを使用するためには、Origin/Pro 2025b以降のバージョンが必要です。それ以前のバージョンをお使いの方は体験版にて実際にお試しいただけます。

サンプルファイル

使用するサンプルファイルは、以下よりダウンロードできますので、お手持ちのOrigin/Pro上で実際の操作をお試しいただけます。

サンプルファイル(graph-option.zip)

zip

zip(475KB)

ダウンロード後解凍し、サンプルOPJUファイルを開いたら、「表示:プロジェクト・エクスプローラ」を選択して開くウィンドウで、フォルダを切り替えてデータを使用してください。

グラフオプションダイアログの基本操作

  1. Originのメニューから「環境設定:グラフオプション」を選択します。
  2. グラフオプションダイアログが開いたら、ダイアログ上部のタブで設定カテゴリを選択し、設定します。ここでは以下のように設定し、軸目盛の向きを内側、Y軸の主目盛のグリッド線を表示する設定にします。
  3. グラフオプションダイアログで軸目盛の向きを内側、Y軸の主目盛のグリッド線を表示する設定に変更
  4. グラフオプションダイアログの下部には「適用先」と「リセット」の2つのボタンがあり、現在の設定をどのグラフ適用するか、またはどの範囲で設定をリセットするかを選択できます。
  5. グラフオプションの適用先とリセットボタン
  6. 「適用先」をクリックし、「フォルダ中のグラフ」を選択すると、現在のフォルダ内のグラフ全てに設定が適用され、軸目盛の向きが内側になり、Y軸の主目盛のグリッド線が表示されます。
  7. フォルダ中のグラフ全てに設定を適用
  8. 「OK」をクリックすると、デフォルトが上書きされます。「表示:プロジェクト・エクスプローラ」から「Folder2」に切り替え、別のデータを表示します。
  9. 「表示:プロジェクト・エクスプローラ」から「Folder2」に切り替え
  10. 下図のように、各ブックのデータを使って、様々なグラフタイプで作図しても、先ほど上書き保存した設定(軸目盛内側、Y軸主目盛のグリッド線を表示)でグラフが作図されます。
    なお、これらの設定はOriginに含まれる標準テンプレートには反映されますが、作成済みのカスタムテンプレートには適用されません。
  11. 様々なグラフタイプでデフォルトが上書き保存される

    デフォルトのグラフフォーマットが変更されました

    バージョン2025bでは、グラフ作成時のデフォルトスタイルが変更され、グラフの上下左右の余白が調整され、レイヤの枠線が初期状態で表示されるといった変更が行われています。

    ・折れ線グラフの場合

    2025bからデフォルトのグラフフォーマットが変更

設定できる項目

このセクションでは、「グラフオプション」ダイアログに含まれる各タブの内容を紹介します。グラフの枠線や目盛、フォント、凡例など、見た目に関わる重要な項目を初期状態で調整しておくことで、作図後の手直しの手間を大幅に削減できます。

「軸」タブ

設定項目 内容
線の太さ軸の線の太さを指定
目盛主目盛・副目盛の方向や長さ(2Dの直交座標グラフレイヤのみに適用)
グリッド線目盛に対して主/副グリッド線の表示とスタイルを指定
重なった場合は目盛ラベルを回転重なりを避けるため、角度を指定して回転表示
レイヤ枠を表示レイヤに枠線を表示(2Dの直交座標グラフレイヤのみに適用)
終了の矢印を表示軸の終端に矢印を表示
X軸再スケールマージン(%)X軸方向の余白をパーセンテージで指定

「フォント」タブ

設定項目 内容
フォントグラフ内すべてのオブジェクトに共通するフォントの設定
特定オブジェクト目盛ラベル、軸タイトル、凡例、データラベルなどのフォントや太字設定を個別に指定

「レイアウト」タブ

設定項目 内容
グラフサイズグラフ全体のサイズ指定
スケール倍率を固定 = 1固定倍率を1に固定するかどうか
レイヤ間の間隔(%)複数レイヤ間のスペースをページサイズに対する比率で指定
ページ余白(%)ページ全体の余白を比率で指定

「凡例」タブ

設定項目 内容
位置凡例の配置場所を指定
単一ブロックの場合レイヤの外側に凡例を表示レイヤが1つだけの場合、凡例をレイヤ枠の外に出す
方向凡例内の項目の並びを縦/横に設定
枠を表示凡例に枠を表示するか、枠線や塗りつぶし色の指定

テクニカルサポート

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問合せフォームよりテクニカルサポートまでご連絡ください。

その際、必ず「製品名」「バージョン」「シリアル番号」をご連絡ください。

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