Origin 2019b - データ管理機能の向上 -

HTMLやMarkdownを使ったレポート作成、Web上のファイルやローカルPC/ネットワーク内のファイルに接続する「データコネクタ」、Originプロジェクトのクローン作成など、データ管理に役立つ様々な機能が追加されました。

HTMLやMarkdownを使ったレポート作成

Markdownあるいは HTMLの構文を使ってカスタムレポートを作成することができます。

  • Originのノートウィンドウを使ってレポートを作成
  • Markdown あるいは HTML の構文の使用
  • メタデータや分析結果、グラフなどを
    コピーし、リンクの貼り付け
  • レポート中で結果をコピーし事前割り付けをするための「プレースホルダーシート」を
    サポート
  • レポートはワークシート中に埋め込むことができ、バッチ分析の分析テンプレートとして使うことが可能
  • レポートは、印刷したり、すべての関連イメージを含むWebページとしてエクスポートすることが可能

データコネクタ

データコネクタは、お持ちのデータのインポートや整理をするための強化された機能を提供します。

  • Web上のファイルや、ローカルPC/ネットワーク内のファイルに接続させることが可能
  • サポートされるファイル形式:CSV、Excel、ASCII/バイナリ(インポートウィザードのフィルタを使用)、HTML、JSON、MATLAB、Originプロジェクト
  • XML中の特定ノード、HTMLの表、Originプロジェクト中のシートなど、インポートされるデータを選択することが可能
  • 接続やデータ選択の情報はワークシート/ワークブック内に保存
  • 同じタイプのコネクタをワークブック中の複数ワークシートに追加したり、異なるタイプのコネクタを複数ワークブックに追加することが可能
  • Originプロジェクトの保存時、全てのあるいは特定のコネクタに関連付けられたインポートデータを除外することが可能。これにより、プロジェクトファイルのサイズを著しく削減することが可能。さらに、全ての計算結果と結果データから作成したグラフは、クリアせずに残しておくことが可能
  • 任意の時点でソースファイルから再インポートすることが可能。また任意の時点でソースやデータ選択を変更することも可能
  • 各種のデータコネクタを、アプリセンターや「データ」メニューからダウンロードすることが可能

Originプロジェクトのデータリポジトリとしての利用

データを整理管理し、アーカイブ保存するために、Originプロジェクトファイルを利用することができます。本バージョンの新機能である「データコネクタ」を使って、Originから対象のデータにアクセスすることが可能です。

    1. Originプロジェクト中のフォルダや、サブフォルダ、ワークブック、ワークシートなどの柔軟で階層的なデータ構造を利用すると、複数のソースや機器からのデータを管理・保存することが簡単にできます。データ記述のために、ワークシートのコメント情報などのメタデータを追加することもできます。

    2. このような「データプロジェクト」を、ローカルPC上やネットワークサーバ内に保存します。これにより、ソース保存場所をプロジェクトメンバーや共同研究者たちと共有することができるようになります。

    3. Originを任意のコンピュータで起動し、データソースにアクセスします。これにより、「Originデータコネクタ」機能を使って「データプロジェクト」に接続することができます。

    4. 「データプロジェクト」から特定のワークシートを選択し、データをインポートすると、その特定のサブセットデータに対するグラフ作成やデータ分析を希望通りに実行することができます。

  • プロジェクトから1つあるいは2つ以上の「データプロジェクト」に接続すると、グラフ作成やデータ分析の処理の管理が極めて柔軟かつ簡単になります。

Originプロジェクトのクローン作成

Originプロジェクトのクローンを作ることにより、グラフやデータ解析の複製を新しいデータを使って簡単に作ることができます。

    1. 使用するデータ、グラフ、分析、レポートなどを含むマスターとなるOriginプロジェクトを作ります。

    2. プロジェクトのクローンを作ります。これにより、ソースとなるデータを含まないプロジェクトが作成されます。

    3. 新しいデータをインポートすると、全てのグラフや分析結果、レポートなどが更新されます。

このプロジェクトクローンの機能を使って、以下のように、大きなプロジェクトの探索的データ分析を行うこともできます。

    1. データやグラフ、分析などを含む大きなOriginプロジェクトのクローンを作ります。

    2. クローン化されたプロジェクトにおいて、元のプロジェクト中にあったデータシートへのデータコネクタのリンクを適正に保護します。

    3. 元のプロジェクト中にある特定のデータシートを再インポートして、更なるデータ解析やサブセットデータの探索を続行します。

    4. これにより、同じデータを含むような大きなプロジェクトを複製する必要がなくなり、データ分析における探索的段階の処理をスピードアップすることができます。

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