Vol.61 データをコピーせずに活用!Originの列参照

Originでは、別の列やシートにあるデータを参照し、元データと連動させながら利用できます。Origin/Pro 2026bでは、データを複製せずに別の場所へ表示できる「ミラー列」と、1つのワークシートで作成した列や計算式を複数のシートへ一括適用できる「他のシートに追加/挿入」が追加されました。

今回は、これらの新機能を中心に、通常のコピー&ペーストや「列値の設定」による列参照との違い、使い分けをご紹介します。

この記事を読むとこれができます!

  • データを複製せず、別のシートから参照して表示できます
  • 複数のワークシートに同じ列や計算式を一括設定できます
  • 通常のコピー、ミラー列、列値の設定を目的に応じて使い分けられます
1つのワークシートで作成した列や計算式を複数のシートへ一括適用できる「他のシートに追加/挿入」

※ 「ミラー列」および「他のシートに追加/挿入」を使用するには、Origin/Pro 2026b以降のバージョンが必要です。それ以前のバージョンをお使いの方は体験版にて実際にお試しいただけます。

データを複製せずに参照する「ミラー列」

Origin/Pro 2026bで追加された「ミラー列」は、元のデータをコピーせずに、プロジェクト内の別の場所から参照して表示する機能です。通常のコピー&ペーストとは異なり、元データを変更すると、ミラー列の内容も自動的に更新されます。

ミラー列の特長

  • データを複製せず、元の列を参照して表示
  • 元データの変更を自動的に反映
  • ロングネームやスパークラインなども引き継ぎ
  • 複数列をまとめてミラー列として貼り付け可能
  • ワークシート全体をミラー化することも可能
  • データを複製しないため、プロジェクトサイズの増加を抑制

ミラー列は元データを参照しているため、直接編集できないようにロックされます。データを変更する場合は、参照元の列を編集します。

操作手順

使用するサンプルファイルは、以下よりダウンロードできます。お手持ちのOrigin/Proで実際の操作をお試しいただけます。

サンプルファイル(mirror-columns.zip)

zip

zip(0.97MB)

ミラー列を作成

  1. 参照元にする列を選択し、Ctrl+Cキーまたは、右クリックメニューでコピーします。
  2. 「入力データの形式」は「素データ」に設定
  3. 貼り付け先のワークシートで列を選択し、右クリックし、ショートカットメニューから「ミラー列として貼り付け」を選択します。
  4. 貼り付け先列で右クリックして「ミラー列として貼り付け」
  5. 貼り付け先の列のF(x)セルに、元の列とのミラー関係を表す式が設定されます。
  6. F(x)セルに、元の列とのミラー関係を表す式が表示
  7. 貼り付け先、参照元の列に表示されるミラーアイコンから、ミラー関係の確認や削除などのオプションを利用可能です。
  8. ミラーアイコンから、ミラー関係の確認や削除などのオプションを利用可能
  9. 参照元のセルを編集すると、ミラー列の値も自動的に更新されます。
  10. 参照元のセルを編集すると、ミラー列の値も自動的に更新

複数列をまとめてミラー化

複数の列を選択してコピーし、別のワークシートへミラー列として貼り付けることもできます。列タイプや列ラベルなども元の列から引き継がれるため、同じデータ構成を別のワークシートで利用したい場合に便利です。

複数の列を選択してコピーし、別のワークシートへミラー列として貼り付け

ワークシート全体をミラー化

列だけでなくワークシート全体を参照する新規ブックの作成も可能です。ワークシートタブで右クリックして開くメニューから「新規ブックに複製」を選択すると、ミラー化されたブックが作成されます。

複数の列を選択してコピーし、別のワークシートへミラー列として貼り付け

プロジェクトサイズについて

同じ右クリックメニューの「複製」では、すべてのデータがコピーされるためプロジェクトサイズが増加します。一方、ミラーシートでは元データを参照するため、プロジェクトサイズを小さく抑えられます。

同じ列や計算式をほかのシートに一括追加

測定条件やサンプルごとにワークシートが分かれている場合、すべてのシートに同じ列や計算式を設定するのは手間がかかります。「他のシートに追加」を使用すると、1つのワークシートで設定した列を、プロジェクト内のほかのワークシートへ一括で追加できます。

列に設定されている次の情報もまとめて反映されます。

  • 列名やスパークライン
  • ミラー列の参照設定
  • F(x)セルや列値の設定の計算式

操作例:複数のスペクトルからブランクデータを差し引く

ここでは、異なるサンプル濃度で測定した複数のUV-Visスペクトルから、共通のブランク測定データを差し引きます。各スペクトルやブランク測定データは別のワークブックに保存されています。

サンプルファイル(add-columns-to-other-sheets.zip)

zip

zip(143KB)

手順1:ブランクデータをミラー列として追加

  1. サンプルデータのBook1にあるブランク測定データの列(B列)を選択し、Ctrl+Cキーでコピーします。
  2. Book2~Book5いずれかのスペクトルデータのワークシートで、右クリックし「新しい列の追加」を選択します。
  3. シートの何もない領域で右クリックして「新しい列の追加」
  4. 作成された新しい列を右クリックし、「ミラー列として貼り付け」を選択します。これで、ブランクデータを複製せず、参照する列が作成されます。
  5. 新しい列を右クリックし、「ミラー列として貼り付け」

手順2:ベースラインを差し引く計算列を追加

  1. 再度シートで右クリックし、メニューから「新しい列の追加」を選択します。
  2. スペクトルデータから、ミラー列のブランクデータを差し引く計算式 B-C をF(x)セルに入力します。
  3. 追加した列のF(x)セルに計算式を入力

手順3:ミラー列と計算列をほかのシートに追加

  1. 作成したミラー列と計算列を選択して右クリックし、メニューから「他のシートに追加」を選択します。
  2. 列を右クリックし、メニューから「他のシートに追加」
  3. 開いたダイアログで、どのワークシートに列を追加するか条件を指定できます。ダイアログオプションの詳細はこちらのページを参照してください。
  4. 「他のシートに追加」ダイアログ
  5. 「OK」をクリックします。対象のすべてのワークシートに、同じブランクデータを参照するミラー列と、ベースラインを差し引く計算列が追加されます。
  6. 同じブランクデータを参照するミラー列とベースラインを差し引く計算列が追加されました

列を同じ位置に挿入する

既存の列と列の間に、新しい列を一括挿入することもできます。

  1. サンプルデータで「Folder2」を開きます(「表示:プロジェクトエクスプローラ」でフォルダを表示)。
  2. Book7のD列を選択して右クリックし、「挿入」を選択します。
  3. 列を右クリックし、メニューから「挿入」
  4. 挿入した列のF(x)セルに計算式 C/(1000*B) を入力します。
  5. 挿入した列のF(x)セルに計算式を設定
  6. 列を右クリックし、「他のシートに挿入」を選択します。これで、ほかのワークシートでも同じ位置に新しい列が挿入され、同じ計算式が設定されます。
  7. 列を右クリックし、「他のシートに挿入」を選択
    ほかのワークシートでも同じ位置に新しい列が挿入され、同じ計算式が設定されます

目的に合わせた列参照方法の使い分け

Originでは、「ミラー列」以外にも、通常のコピー&ペーストや「列値の設定」を使ってデータを参照できます。目的に応じて使い分けることで、データを効率よく管理できます。

方法 元データとの連動 主な用途
コピー&ペースト なし 元データとは独立したデータを作成する場合に使用します。
ミラー列 あり データを複製せず、別の場所に同じ内容を表示する場合に使用します。
F(x)セル/列値の設定 あり 別の列を参照しながら、計算や変換を行う場合に使用します。
他のシートに追加/挿入 設定内容による 同じ列や計算式を、複数のワークシートへ一括適用する場合に使用します。

通常のコピー&ペースト

通常のコピー&ペーストでは、貼り付け先に独立したデータが作成されます。貼り付け後に元データを変更しても、コピー先の値は変更されません。コピー先のデータを個別に編集したい場合に適しています。

F(x)セルおよび「列値の設定」による列参照

F(x)セルや「列値の設定」では、同じワークシートや別のワークシートにある列を参照し、計算結果を出力できます。

  • Book1、第一シート内のB列を参照する例
  • F(x)セルや「列値の設定」でBook1、第一シート内のB列を参照
  • D列の温度データ(℃)を参照して、絶対温度(K)に変換する例
  • F(x)セルや「列値の設定」で温度を℃からKに変換する例

別のワークブックやワークシートの列を参照することもできます。また、列値の設定では、列の参照に加えて、数学関数、統計関数、文字列関数などを組み合わせた計算が可能です。

まとめ

Origin/Pro 2026bの「ミラー列」を使用すると、データを複製することなく、プロジェクト内の別の場所から参照できます。さらに「他のシートに追加/挿入」を組み合わせれば、共通データの参照列や計算列を、複数のワークシートへ一括で設定できます。

通常のコピー&ペーストやF(x)行、列値の設定 と目的に応じて使い分けることで、プロジェクトサイズを抑えながら、複数データの処理を効率化できます。ぜひサンプルファイルを使って、列参照機能をお試しください。

テクニカルサポート

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